2004-09-01から1ヶ月間の記事一覧

待ちきれなくて…

卒業式終了後のパーティー。その一夜が明けるまでを、それぞれに迷い、惑い、色恋沙汰に悩まされながら過ごす高校生達の人間模様を描いた群像劇風映画。いやもう卒業式用ローブ着て並んで座ってる生徒達の間をパーティーの噂が駆け巡る、ってなタイトルクレ…

福澤徹三『怪の標本』

福澤徹三の怪談小説集2冊目。処女作(の書き直し)『再生ボタン』(→感想)に比べると全体的に話の展開やオチがわかりやすく、あの独特の不安感はそれほど感じ取れなかったかなあという感じ。以下気に入った収録作の感想。 「雨音」ある共通したモチーフを含…

テイキング・ライブス

FBI捜査官アンジェリーナ・ジョリーはモントリオール周辺で起こっている連続殺人の捜査に当たる。その事件は、犯人が次々と人を殺し、その人に成り代わって人生を送るという手口を繰り返しているものだった。事件の目撃者イーサン・ホークを調べるうち、捜査…

スウィングガールズ

吹奏楽部員を食中毒で入院させた責任を取って代わりに甲子園でジャズを演奏しなければならなくなった女子高生達。最初は面倒だった練習にも次第に熱中してきて、ジャズが好きになってくる。ところが、吹奏楽部員達が退院して来て……というお話。 この監督の『…

クリストファー・プリースト『魔法』

爆発事故によって怪我を負い、部分的に記憶を失った報道カメラマン。ある日彼の療養所を訪ねて来た女性は彼と恋人同士だったと名乗り、彼も彼女と過ごすうちにその記憶を取り戻すが、彼女の話には奇妙な点があって……というお話。 予備知識を持たないで読んだ…

最終絶叫計画

『スクリーム』と『ラストサマー』の2シリーズを軸にした頭からお尻までパロディしかない映画。映画に関する一般教養のない僕ですが、この映画でネタにされている映画は見たことのあるものが多くてそこそこ“わかる”ことはできた。かと言って楽しめたとは言え…

ヤング・ブラッド

デュマの『三銃士』を基にした、ダルタニアンが下宿先の娘とイチャイチャしたり仲間割れを起こしたりしながら王妃救出の任に挑み、ついでに両親の仇まで討ってしまうというお話。演じるジャスティン・チェンバースの悪相もあって主人公のダルタニアンに全く…

小林泰三『ネフィリム 超吸血幻想譚』

可愛い女の子に「血を吸うなんて怖いことしちゃ嫌よ」って言われて吸血を止めた最強の吸血鬼ヨブ、妻子を吸血鬼に蹂躙された挙句殺されて復讐鬼と化した警官ランドルフ、吸血鬼も人間も等しく下等生物と見なす謎の“ストーカー”、J。この三人が三つ巴になっ…

ハイウェイマン

妻を轢き逃げし、その後も車での殺人を繰り返す暴走運転手を追跡し続けている主人公クレイ。彼はそのロード・キラーの次のターゲットとなる女性モリーを利用し、復讐を遂げようとするが……というお話。 上映時間が90分もなく短いので特に退屈することもなくな…

バイオハザードⅡ アポカリプス

前作(→感想)から36時間、Tウイルスの感染が広まったラクーンシティは封鎖され、逃げ惑う市民は次々とゾンビにやられてゆく。前回の事件を生き残ったアリスは警官のジル等と協力し、町を脱出しようとするが……というお話 前作はこまめにあるアクションの盛…

おかゆまさき『撲殺天使ドクロちゃん(4)』

幼馴染みの静希ちゃんを想って今日も悶絶状態な桜くんを天使ドクロちゃんが撲殺しては生き返らせるお馴染み連作短編シリーズ第4弾。いやあ、いよいよつまんなくなってきました。桜くんはもっとヒドい目に遭わなきゃダメでしょう。修学旅行編の清水寺でのやり…

長田弘『ねこに未来はない』

作者の猫飼い経験に基づくエッセイ三本をまとめた本。さすがに作者が詩人なだけあってそこかしこにすんばらしー表現が見られます。おかげで薄い本なのに読むのに時間がかかった。いやあ、「あおのけに突き入れてしまう」とか言えないよなあ。ほとんど全て現…

森博嗣『Φは壊れたね』

密室となったアパートの一室から、奇妙なポーズで吊るされた刺殺死体が発見される。現場からは死体発見の一部始終を録画したビデオが発見され、そのタイトルには『φΦは壊れたね』とあった……というお話。 待望の新シリーズ第一作!という触れ込みのわりに西之…

ヴィレッジ

19世紀末、外界から隔絶したペンシルバニア州の小さな村。その村の住民は互いに愛し合い助け合う、まさに理想郷のような空間だが、村の周囲の森には怪物が住んでいるという言い伝えがあり、そこへ入ってはいけないという掟があった。しかし今、婚約者の命を…

近藤史恵『スタバトマーテル』

プロの資質を備えながら極端なあがり症で本番では歌えず、大学の副手として働いてるりり子は、有名イラストレーターの息子で画家の大地と恋に落ちる。だが、それ以来りり子の身に次々と危険が降りかかり……というお話。 この作者の作としてはどうってことない…

黒田研二・二階堂黎人『永遠の館の殺人』

黒田・二階堂の合作による「Killer X」シリーズもこれで終了。最終作の今作は、またも発生したキラー・エックスによる風俗嬢連続殺害と、スキー場で遭難しかけたカップルが身を寄せた人里離れた館で起こる不可解な連続殺人の模様を並行して描いたお話。 で、…

スクール・ウォーズ HERO

1970年代、ある荒廃した高校に赴任して来た元ラグビー全日本の型破り熱血体育教師が、特に素行の悪いラグビー部の部員を叩き直し、信頼を得ていく、というお話。 危惧していたほど臭くはなかったし、いかにも昔っぽい一方的すぎる価値観だだ漏れ状態でもなか…

舞城王太郎『好き好き大好き超愛してる。』

彼女の体の中に肉やら臓器やらを食い散らかす虫がいっぱいになって死にそうな男。彼女が死んじゃって死にそうな最中も書き続けて死んだ後も彼女をネタにした小説を書いちゃって?みたいな作家。夢で見かけて好きになった女の子が出会う前に死んじゃった中学…

鯨統一郎『喜劇ひく悲奇劇』

泡坂妻夫『喜劇悲奇劇』(読んだけど忘れた)へのオマージュたっぷりの回文ミステリー。回文サークルの合宿中に連続殺人が起こり……という話の筋はどうでも良くて、1ページに一つ以上無理矢理盛り込まれた回文を見てヘェとかホォとか言いましょうという小説。…

倉阪鬼一郎『42.195 すべては始めから不可能だった』

息子を誘拐され、大会で2時間12分を切れという奇妙な要求を突きつけられたマラソン選手。大会当日、必死で走り続ける彼を伺いながら警察も犯人の意図を突き止めようと奔走するが……というお話。を、レース中の時間経過と対応したページ送りで描く(清涼院流水…

ヴァン・ヘルシング

過去の記憶がないヴァン・ヘルシングは教会に雇われて“悪”の怪物退治をこなしている。今回彼が向かったのはドラキュラ伯爵の城があるトランシルバニア。ドラキュラの仇である一族の生き残りアナ王女と協力しドラキュラ退治に挑むが、敵はなかなか強大で……と…

隣のヒットマン

根性の腐った妻と姑に舅の残した多大な借金まで抱え、鬱屈とした日々を送っている歯科医マシュー・ペリーの隣に越して来たブルース・ウィリスは噂に名高い殺し屋だった!妻にウィリスを売るよう言われたペリー、裏切り者ウィリスを狙うマフィア、夫ペリーを…

ナンシー関『天地無用 テレビ消灯時間6』

お馴染みナンシー関のテレビコラム集。文春のシリーズはこれが最後の文庫化。朝日文庫のほうも終わっちゃったし、後は角川のが文庫化したら全部終わりか。寂しいなあ。 今巻の内容は、大食いをスポーツにするな!って言うかテレ東頑張れ!、“魔性の女”役なん…

船越百恵『眼球蒐集家』

新米刑事香月七海が左遷された先の「猟奇事件特別研究室」室長・美咲嶺は並外れた変人だった!二人はぎくしゃくしながらもプロファイリングを駆使し、連続目玉くり抜き魔事件の解決を目指すが……というお話。 うわー安っぽい。とりあえず、サイコキラーの正体…

世界中がアイ・ラヴ・ユー

ある金持ちリベラル大家族の色恋沙汰にまみれた一年をミュージカルで描いた映画。ウディ・アレンの映画は初めて見ましたよ。まず、ミュージカルシーンは概ね緊張感に足りず面白くない。最初は物珍しさが手伝って楽しく見ていたけど、すぐに飽きてしまった。…

西澤保彦『方舟は冬の国へ』

夏の一ヶ月間、ある別荘の中で、見知らぬ女性と女の子の三人と家族を演じて欲しいという謎の仕事を引き受けた主人公。最初はまごつくものの、次第に彼女等に本物の家族のような親しみが沸いて来る。ところが、別荘で過ごすうちにおかしな現象が起こり出し………

クライム・アンド・パニッシュメント

両親が揉めて母親が出て行った家庭。その娘の主人公は飲んだくれの義父にひどい仕打ちを受け、彼を殺してしまう。ところが、警察に捕まったのは第一発見者となった母親だった。心乱れる主人公は自分をストーキングしていた根暗男との交流に安らぎを見出して…

インファナル・アフェア

マフィアに潜り込んだ潜入捜査官トニー・レオン。警察に潜り込んだマフィアのスパイアンディ・ラウ。非常な運命に翻弄される二人の内通者は互いに出し抜き合い、ついに相まみえることになるが……というお話。 もっとドロドロかな、と思ってたら非常に垢抜け感…

日向まさみち『本格推理委員会』

晴れて高校生に進級した城崎修は始業式の日にいきなり幼馴染み・木下椎と共に学園の女理事長によって「本格推理委員会」なるものに引き込まれる。メンバーは二人の他に空手の達人・楠木菜摘とメガネの委員長・桜森鈴音。委員会の今年度初めての仕事として、…

福澤徹三『再生ボタン』

怪談小説集。この作家も常々読んでみたいと思っていた一人なのだけど、ものの見事にツボに嵌りましたよ。こういうの好き好き。全体的に、オーソドックスな怪談の形式に(時には無理すら感じさせながら)踏みとどまりつつ、いろんなことを試してみているとい…