映画
悪くない出来。設定語りはおざなりにどんどん突っ込む展開がゲーム原作映画っぽくていい感じ。モンスターとの直接対決までをとことん引っ張ってなかなかの緊張感が演出できてるし。このへん暗闇の使い方が巧いと思った。ただ、少し引っ張りすぎちゃって、出…
楽しい楽しい楽しい。あんまり楽しくてエンドクレジットでは座席で軽く踊ってしまったくらい。ウザいくらいに視覚効果てんこ盛りな映像がカッコつけにも小賢しいテクニックにも見えなくて、ほとばしる興奮をそのまんま体現してるように見えるところがいい。…
ちょ、ひどすぎる。本来必要な制作費の半分くらいで頑張っちゃったとしか思えない雑な画面に口あんぐり。室内のシーンはまだしも、一歩屋外に出るとCG安すぎブルーバックばればれで悲惨な有り様。後半はそのへん誤魔化すためにずっと夜の場面だし。歴史改変…
おお、意外によく出来た、結構良心的な映画じゃないですか。支持したい。ファミリー層に訴えるように、犬達は恐ろしく頭が良く人間的すぎる“感情”を持っているように描かれているのだけど、それでいて畜生の浅ましさもちゃんと見せてくれるあたりバランスが…
まあ、普通。僕は原作のほうが好きです。要はこれって「かつてある所に存在したひと時の素晴らしい時間のせいでみんなが不幸になる」という話だと思うのだけど、映画はその物語の打ち出し方が弱くて、あと主人公であるところのイニスの後悔の念の描かれ方も…
『エクソシスト』を裁判劇でやるというアイデアが抜群! と最初は思ったものの、観終わってみるとそうでもないかな。少女が悪魔に憑かれてから命を落とすまでの経緯が、法廷での証言という形で少しずつ語られてゆく展開がすごくスリリングだったのだけど、終…
うはは、かっこわりー。作り手にはビジュアル面に関するセンスが大幅に欠けてると見た。ヒロインの衣装も伽椰子さんみたいな妙な身のこなしも、アクションの舞台となる庭園(クライマックスは桜吹雪の中の銃撃戦!)のデザインもみんな変な感じ。王道SFっぽ…
なーんかなー。目まぐるしく移り変わる多視点からのわかりにくい語りに反して、最終的に伝わって来てしまうメッセージはかなりストレートなんだよな。要は「青い理想が潰されてしまうこの虚しさ」ってことなわけでしょう。すごい腰砕け。シビアなリアル志向…
わりと期待外れ。幼い兄弟が当初は戸惑っていた異世界の秩序にずんずん嵌ってゆく様子がおぞましくも素敵だった原作と比べて、この映画版は彼等の順応っぷりが素直すぎてヤバさが感じられず、そこが面白くなかった。そもそも疎開先の出来事とかいう映画オリ…
これも全然期待してなかったわりに結構楽しめた。大泥棒カップルが本当に引退するのしないの盗みと私とどっちが大事なの!と痴話喧嘩を延々引っ張るのが本筋で、その部分はまあ普通。面白いのは脇でウロチョロするFBI捜査官の動き方で、これが次に何をするか…
プロファイラー候補生達の演習場が「嵐の孤島」と化し、おまけに本物の殺人が! 犯人は仲間達の中に? という、かなり無理のある設定にまず笑ってしまう。そもそも今どきプロファイリングものは無いよな、と言いたくなるところ。 ところが、これが面白いんで…
「処女・童貞は殺されない」ってのはスラッシャー映画のお約束ですが、この映画に登場するのは学園の処女・童貞を狙う殺人鬼。殺人鬼の性質を聞かされた保護者達は娘が処女かどうかで勝手に揉め、生徒達は当然のごとく乱交パーティーを開催。普通にいい感じ…
負け犬からの這い上がりストーリーと、ラブロマンス部分がどっちも中途半端なヘタレ脚本。主人公が俳優としての矜持を手に入れる展開なんて、もう何が何だかわからないくらい終盤めちゃくちゃ。それでいてキュートな味をいくらか感じさせるところはさすがチ…
人種差別を背景に描く群像劇。登場人物に向けられる眼差しがちょうど優しさと批判的な目7:3くらいの割合で、これが個人的にちょっと居心地悪かった。中途半端に甘い感じがしてしまって。とは言え、よく出来た映画で面白かったですよ。人々の人生の交差のさせ…
ジェラール・ピレスってこんなにダメだったっけか。置かれた状況もキャラ同士の関係も全て説明不足のまま突っ走って、盛り上がりそうになったところで寸止めする、なんかもうわざと退屈にしてるとしか思えないすごい脚本。戦闘機の視点(後部からのの視点が…
で、次に観たこっちでまた眠くなったというわけ。主人公が抱えている、自分の責任で仲間を死なせたというトラウマの克服と、警察署が汚職警官に襲われるメインプロットの絡ませ方がすごく乱暴でがっかり。やむなく共闘することになった警官と犯罪者達のそれ…
眠い目を擦って観に行ったら面白くてパッチリ目が覚めた。それくらいよくできた映画でした。僕はこのジョニー・キャッシュという人について何一つ知らないんだが、「ナイーヴと阿呆は紙一重」みたいなダメ男をホアキン・フェニックスがかなりの説得力をもっ…
ごく普通の小金持ち一家をひたすら理不尽な暴力が襲う映画。動きが少なく静かな画面が極限まで緊張感を孕んでいって、もう心臓バクバク言わせながら見てしまった。このへんの技術的な面は文句なしに高く評価したい。ただ、製作側がどういうつもりで不快描写…
ルイ14世の寵愛を受けた宮廷音楽家リュリの一代記。リュリの音楽で王が踊るシーンがいくつか序盤に置かれていて、これがもう甘美で情熱的な愛の交歓の図以外の何物でもない美しさ。だからこそそこから紆余曲折あって王の寵愛を失ってゆくリュリの悲嘆にくれ…
バカをバカにして楽しむのが趣味の嫌味な金持ちが、未知なる大物バカの底抜けの善意によってあわや身の破滅か!ってな目に遭われされるコメディ。舞台のほとんど動かない演劇風の画面の中繰り広げられる、軽快な言葉のやり取りと皮肉な展開がなかなか楽しめ…
極限状況でひたすら助けを待つ人々が織り成す“リアル”で痛々しい人間ドラマ。その“リアル”さ加減があまり嫌味でなく、となるとこういう映画は結構好きなのでした。『ドッグヴィル』みたいな悪趣味の極み展開が来るかなー?と思ってたら結局来なくて、それで…
なんてことない色恋沙汰を、ちょっと『運命じゃない人』みたいな仕掛けのある語りで見せる映画。監督のニック・ハムは二作目の『穴』も「藪の中」ものだったりしたから、ミステリ的なことをやるのが好きなんでしょうな。ただ、『穴』と同じくこれも凝り方が…
まっすぐな若者二人がぶつかり合いながら腐った奴等を懲らしめる爽やかバディもの……じゃなかったからびっくりだ。なんとここまで救いのないオチでしたか。登場人物をやたらと泣き叫ばせる鬱陶しい演出が冒頭から気になってたのだけど、こういうオチにするの…
主演女優をとにかく見せることを優先するあまり緩めになる類のサスペンス。でも面白かったですよ。楽に見れて106分が長くない。ただ、例えば『隣人は静かに笑う』なんかと比べると“善人のはずだが怪しい夫妻”の怪しさの質が薄っぺらすぎて笑う。夫のほうなん…
戦場で主役になるつもりだった兵士達の「約束が違う」ってな心情をジリジリ盛り上げていく描き方が巧い。果たされなかった約束はいつまでも心の中に残ってしまうわけで、そういう頭の悪いセンチメンタリズムを一人称で語る主人公がジェイク・ギレンホールっ…
すごい! 噂には聞いていたがここまでバカだとは。滅多にないくらい隙だらけの画面作りに圧倒されました。CGが安っちいだけでなく、色彩の統制が滅茶苦茶。でも、俊足が生み出す美しい情景の描き方はわりと好きだな。美女が侯爵の屋敷から逃げ出すシークエン…
スペイン製サスペンス。わりとホラーっぽく始まるのでそのセンを期待していたら、事件の裏で糸を引いていたモノの正体が明らかになる中盤以降は、ただの展開がまだるっこしい地味なサスペンスになってしまった。このモノを怖がれというのならもっとそれらし…
主人公トム・ハンクスが恋に落ちた謎の美女の正体は人魚だった! 人魚って。という映画。脇役の使い方なんかなかなか巧くて泣かせられたけど、主役の二人が障害を乗り越える力を持つほどに強く結びついて見えなかったのが残念。荒唐無稽な設定が感動的なドラ…
香港製の心霊ラブストーリー。みなさんご想像の通り恐ろしくクサいんだが、辟易することなく素直に感じ入ることのできるいいお話。主人公の恋敵まで含めて悪い人が一人も出て来ない暖かい脚本が好き。ヒロインが主人公を探して走り回るシーンは泣けた。ただ…
「自殺者のルームメイトは心の傷を考慮してその学期オールAが貰える」という大学の都市伝説をネタにしたブラックなサスペンス。自殺志願者が好んで見る映画は?と聞かれたカウンセラーが「初監督作とか。たいていヒドいでしょ」と答えた後に監督のクレジット…