怪談之怪(京極夏彦、木原浩勝、中山市朗、東雅夫)『怪談の学校』

ダ・ヴィンチ」誌上に連載された「投稿怪談小説の合評及び添削及びその他」な企画を一冊にまとめ、ついでに著者4人による座談会を冒頭にくっつけたもの。投稿作品40作もそれなりに粒揃いで面白いのだけど、やはりそれら投稿作のどこにケチをつけるか、どうリライトするか、によってメンバーそれぞれの怪談に対するスタンスが見えてくるところが面白い。
例えば、京極は物言いが4人の中で一番批評家っぽく、投稿作に当たっても分析好き。木原はとにかく職人的にビシバシ添削。中山は落語好きで、怪談についても“語り”の技術を重視(いまいちキャラが弱い)。そして東は真面目で素直な意見が多く、関連文献の紹介が得意。個人的には京極の指南に納得するところが多く、一番参考になった。木原のリライトには不満も多々あるけれど、実作者にはなかなか興味深いんじゃないだろうか。