ナイト・ウォッチ

楽しい楽しい楽しい。あんまり楽しくてエンドクレジットでは座席で軽く踊ってしまったくらい。ウザいくらいに視覚効果てんこ盛りな映像がカッコつけにも小賢しいテクニックにも見えなくて、ほとばしる興奮をそのまんま体現してるように見えるところがいい。一番好きなのは主人公アントンが光組のリーダーの元へ連れ込まれる一連のシークエンス。未来予知を目から目へ伝える方法がわけわからなくて良かった。挿入されるアニメも。
ただ、ストーリーテリングの面ではもうダメダメ。アントンが抱える昔の女絡みの心の傷とナイト・ウォッチという生業への屈託がオチへ繋がるのだけど、全然流れとして見せられてない。あと、脇役の扱いがひどい。「虎に変身できる」という設定のキャラが一度も変身しなかったりする始末。それでも一応オチが決まったのはやはり映像のおかげか。いやはや素敵なことで。
主演のコンスタンチン・ハベンスキーは本国では人気俳優らしいんだが、そうとは信じられないショボくれたルックスが役にぴったり。強大な力を秘めた少年役ディマ・マルティノフ君の不穏な表情も良い。闇組のリーダー役ヴィクトル・ヴェルズビツキーは笑えるくらいカッコよくて、実際笑ってしまった。あと、フクロウ娘はフクロウのままのほうが可愛かったよな、と。