世界中がアイ・ラヴ・ユー

ある金持ちリベラル大家族の色恋沙汰にまみれた一年をミュージカルで描いた映画。ウディ・アレンの映画は初めて見ましたよ。まず、ミュージカルシーンは概ね緊張感に足りず面白くない。最初は物珍しさが手伝って楽しく見ていたけど、すぐに飽きてしまった。エドワード・ノートンの“下手な踊り”演技は見物だったけど。
でもそれ以外のシーンが結構面白かった。無駄に多いセリフと無駄に多い登場人物になんとなく必然性を感じてしまうような日常の描き方でなかなか楽しい。ノートンが婚約指輪を買いに行っていろいろ試す場面とか、ドリュー・バリモアが婚約破棄を宣言して両親を困らせる場面なんかは派手さはないのに目が離せない充実ぶり。特に後者は会話してる三人が階段を下りていくとホッケーで遊んでる面々が邪魔っ気だったり、部屋に入っていくと泣いてる娘がいてそっちに気を取られる、ってな滑稽な混沌状態が実に自然に映し出されていて可笑しい。
キャストはみんないい感じなのだけど、個人的に気に入ったのはダッサい格好なので最初気づかなかったノートンとムショ上がりで下品な役柄のティム・ロスジュリア・ロバーツの使われ方も面白かった。