2004-03-01から1ヶ月間の記事一覧

乙一『GOTH リストカット事件』

猟奇的な事件にのみ大きな関心を持つ主人公とそのクラスメイト森野の二人が次々に異常犯罪に遭遇し、いろいろと関わってるうちに事件の片が付く趣向の連作ミステリ短編集。えー、これは主人公の自分語りが過ぎる気が。そんなにしつこく自分は人と違う、普段…

恋愛適齢期

今まで一度も本気の恋をしたことのない売れっ子女性脚本家ダイアン・キートンと若い女性にしか興味の無いジャック・ニコルソンが互いになんとなく惹かれていって……というあらすじだけ読むとかなりどうもいい感じなのに、実際見てみるとシーンごとにいちいち…

畠中恵『しゃばけ』

裏表紙あらすじの「大江戸人情推理帖」って言葉は嘘じゃなかった。人情云々はともかく、何気ない記述やファンタジー的な設定が伏線として機能していたりして、ミステリ要素がちゃんとある!事件についての疑問点が箇条書きで述べられたりするベタな本格ミス…

ジュラシック・パークⅢ

シリーズ1作目は昔見たもののほとんど記憶に無し、2作目は未見、というのが僕の立ち位置。で、この3作目はどうだったかと言うと、「まあ面白かった」くらいのレベル。煮え切りませんな。一番気になったのが主人公グラント博士の弟子・ビリー君の「あどけ…

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦

クレヨンしんちゃん映画は順々に潰していく予定。今作は野原一家が戦国時代にタイムスリップしてまたバカをやる……のではなくて、普通の、王道な時代劇でした。合戦シーンはなかなかに迫力があって、自分はアニメ映画を見ているんだってことをときたま忘れて…

リバース

おお、これはまさに西澤保彦の世界!でもないか。女刑事が偶然乗り合わせた車の運転手が逆上して殺害事件を起こし、彼女自身も追われて逃げ込んだ先はたまたま時間逆行装置研究所だった!過去に戻った彼女はどうにかして殺人が起こるのを防ごうとするが、事…

清涼院流水『キャラねっと 愛$探偵の事件簿』

作者が「ザ・スニーカー」で連載してた「みすてりあるキャラねっと」「めいきゃっぴキャラねっと」「であいまちょキャラねっと」を一冊にまとめて、ついでにそのサイドストーリーみたいなものをちょこっと加筆してあるという体裁の本。「みすてりあるキャラ…

ミリオンダラー・ホテル

少しおかしい人(自分をビートルズのメンバーだと思い込んでる人とか)ばっかり集まってるホテルの住民の一人がある日屋上から落ちて死んで、そのことを巡っていろいろな事が起こりつつ、最後には彼の死の真相が明かされるというお話。わお、こう書くとミス…

シェイド

面白かった。イカサマ賭博映画って言うか、いわゆるコン・ゲームの範疇に入るのかな。ほぼ同じジャンルで言えばこないだの『コンフィデンス』(→感想)よりずっと爽快感・痛快感・してやられた感があって良かった。『コンフィデンス』はカッコつけてるわりに…

西風隆介関連

4/21にトクマ・ノベルズから、神の系譜シリーズ最新刊『神の系譜 特別篇 竜の秘密』と同時に新シリーズ第一巻『元禄魔伝 八咫烏』も刊行の模様。わー、楽しみ。 (追記) びっくり!「西風隆介」がキーワード化されてる!

ハルク

ハルクがぼよんぼよん跳ねたりもっさい動きを披露しながらいじめっ子・アメリカ軍をやっつける中盤はなかなか楽しめる。でもアクションシーンはアクションシーンでもラストバトルはダメだー。何やってるのかさっぱりわからないんだもの。「どんな物質とでも…

近藤史恵『二人道成寺』

不審な火事が原因で意識不明となった歌舞伎役者の妻・美咲。その背後には岩井芙蓉、中村国蔵という二人の名役者の確執と、秘められた愛憎劇が……というお話。待望の歌舞伎シリーズ新刊!というわけでかなりのワクワク状態で読み進めたものの、あらー、今回は…

シューティング・フィッシュ

口は上手いが失読症のディランと内気なパソコンオタクのジェズ、この二人の孤児院出身の詐欺師は子供の頃から夢だった豪邸を買う夢をついに叶えられそうになるが、そこに思わぬ邪魔が……というお話。詐欺師の話なんだからもっと一発逆転、してやったり!ムフ…

横溝正史『獄門島』

この小説のパロディなら何作か読んだことあるのだけど、ネタ元に当たるのはこれが初めて。と言うか、実は横溝自体初めて読んだ。意外と軽く読みやすいのですね。もっと重苦しく陰気な空気が漂ってるのを想像してた。これなら他のもどんどん読めそうだ。で、…

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード

おおお面白い!いや今テレビでやってたのなんとなく見てたんですけど、かなり引き込まれてしまった。クレヨンしんちゃんの映画シリーズはほとんど見たことないのだけど、今作は『モーレツ!オトナ帝国の逆襲』(→感想)みたいに(悪く言えば)うっとうしいテ…

ノーバディーズ・フール

クリスマスの季節、田舎町に住む不良老人ポール・ニューマンとその周りの人々を訪れる様々な出来事を描き、彼等を優しく祝福する映画。なんかいかにも“いい話”、“いい映画”で、そのいかにもな感じがちょっとだけつまんなさを生んでいるような気もしつつ、で…

ルール4

『ルール3』(→感想)に引き続きでっち上げ続編。一応映画のカテゴリに入れたものの、このパート4は映画ですらなくて、アメリカで放映された全10話の連続ドラマの1話、8話、9話を無理矢理まとめたものらしい。何だそれ!わけのわからん売り方するもん…

恋人までの距離

タイトルは距離と書いてディスタンスと読ませます。これまた泣かせますね。意外なことにわりとアート志向っぽい映画で、電車で乗り合わせた男女がウィーンをぶらぶら歩きながら一夜を共に過ごし、翌朝別れるまでを、彼等の益体も無い会話の様を延々映すこと…

ルール3

『ルール』『ルール2』とは縁もゆかりもないでっち上げ続編。しかもビデオスルー。字幕に無理矢理「ルール」「都市伝説」という言葉を入れて申し訳程度に体裁を整えているのが泣かせる。お話は、「持てないガリ勉少年の元に願い事を三つ叶えてくれる謎のア…

江戸川乱歩『黄金仮面』

創元推理文庫の版で読んだんですけど、安っぽくもおどろどろしい挿絵が良いな。挿絵にスペース取られるせいで文章が変なレイアウトで入ってるページもたくさんあって、そういうところも素敵だ。 感想としては、とにかく乱歩のあの文体を久しぶりに読んだので…

イン&アウト(背景色でのネタバレ含)

ハリウッドの大スターとなった元教え子が、ゲイの兵士役を演じて勝ち取ったアカデミー賞授与スピーチで「お世話になった先生に感謝します。彼はゲイです」と発言したからさあ大変。主人公は周りの誤解を解くために奔走するが……みたいなコメディ。こ、これは…

好きと言えなくて

主人公は知性やウィットには自信があるけどルックスに自身がない女性ラジオDJ。ある日彼女の受け持つ動物に関する相談番組で知り合った男性が彼女を求めてラジオ局にやって来る。彼は偶然その場にいた主人公の友達の美人モデル(頭が空っぽで、それにコンプ…

初恋のきた道

父親が死んだと聞いて生まれ育った村に帰って来た語り手の青年男性。彼は「村の伝説」となった父と母の馴れ初め話を思い出す、というのがオープニング部分。以下はチャン・ツィイー演じる村一番の美少女(語り手の母)が町からやって来た先生(同じく父)に…

ドッグヴィル(背景色でのネタバレ含)

かなりの反感と偏見を持った上で見たのだが、面白かった。僕は同じ監督の『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(→感想)よりよっぽど好きだな。今思うと『ダンサー〜』への不満は、もっと取り繕ってほしい、真面目ぶってほしい、深刻ぶってほしい……ということだっ…

スクービー・ドゥー

アメリカでは有名だというアニメを実写化(?)したものらしい。想像していたほど寒々しくはなかった。面白くもないけど。怪しげなテーマパークの謎を「ミステリー社」が解く!というお話は、ひたすらしょーもないもので、でもお子様は楽しめそう、と何とな…

津原泰水『ルピナス探偵団の当惑』

昔少女小説のレーベルから出てた連作二編に加筆すると同時に新たに一編を書き加え、まとめたもの、らしい。つまり、「津原泰水が」「コバルトで」「本格ミステリを書いた」ようなものだな。すごい!読むしかない!というわけで読みました。 うん、期待通りの…

スモール・ソルジャーズ

意思を持ったフィギュアが大暴れして大変なことになるストーリーに、主人公の少年と人外の者との友情、少年と彼が憧れる美少女との色恋沙汰の話なんかを加えて、わりとグロテスクなビジュアルにも関わらず爽やかーに終わる映画。兵隊フィギュアのほうが敵役…

ルール2

前作(→感想)からの面白さの目減り方が『スクリーム』シリーズにそっくり。『スクリーム』はそれでも魅力的なキャラを引き継いでたから十分興味が持てたのだけど、この映画はそういう要素もないからなあ。脚本はとにかくひどい。クロークでかどわかされて殺…

ガキンチョ育成シミュレ−ション

web

ブギさん(id:phantom_stone)のとこで見たやつ。息子を育ててみたら、「引っ込み思案度」が異常に高い子になっちゃった!おまけに「○○くんは単なるおとなしい子になってしまいました。はっきり言えば引き篭もり予備軍です。」だって。 ふふふー、でもいいん…

松尾清貴『簡単な生活』

騙された!ミステリじゃなかった!いや勿論ミステリだと勘違いした僕が悪いのですが、ミステリ置き場においてあったものだから……。まあミステリじゃないにしろ面白かったならこんな益体も無いこと言わないわけで、つまりはあまり面白くなかったんですけど。…