ミリオンダラー・ホテル

少しおかしい人(自分をビートルズのメンバーだと思い込んでる人とか)ばっかり集まってるホテルの住民の一人がある日屋上から落ちて死んで、そのことを巡っていろいろな事が起こりつつ、最後には彼の死の真相が明かされるというお話。わお、こう書くとミステリー映画みたいだ。本筋はミステリー部分には無いので全然違うんだけど。
少しおかしい人達のほのぼのとした集団生活を描きたいのか、それとも主人公の精神薄弱青年の恋心が引き起こす悲劇を描きたいのか、主題がどこにあるのかわからないせいでわりとどうでもいい映画になっちゃってます。そもそも一人称で物語を語る主人公に映画を引っ張るほどの魅力がないのが痛い。キャラクターも多彩だけどみんな死んじゃってる感じ。主人公やヒロインの心情さえよくわからないんだもの。もっときちんと描いてほしかった。
ただ、終盤で明かされるメル・ギブソンが演じるFBI捜査官に関するトンデモな設定はなかなか面白く、メル・ギブソンも役柄を深める演技をしていてなかなか魅力的だった。このキャラがもっと生きるストーリーだったならなあ。冒頭の飛び降りシーンなんかはわりと綺麗だっただけに、残念。