シェイド

面白かった。イカサマ賭博映画って言うか、いわゆるコン・ゲームの範疇に入るのかな。ほぼ同じジャンルで言えばこないだの『コンフィデンス』(→感想)よりずっと爽快感・痛快感・してやられた感があって良かった。『コンフィデンス』はカッコつけてるわりに結局は泥臭いオチに辿り着くのがなんだかなあ(そこが面白いところでもあるのだが)な映画だったけど、今作は初めからある程度安っぽくなることを意図した作りになっているおかげで安心して見られた気がする。
キャラクターの描き方もわりと良かった。最初は一癖ありそうな渋い中年に見えたガブリエル・バーンがストーリーが進むにつれてどんどん小物感を増していくのが面白くて、でもこれでいいのかなあと思ってたらラストで納得した。なるほど、そういう話になるのならオドオドキャラでいいわけだ。シルベスター・スタローンには大仰な大物演出がされていてちょっと笑った。ちゃんと役に合った仕事はしていたからいいのだけど。手先が器用そうには到底見えないので、カード捌きを披露するシーンがほとんどなかったのは正解でしょうな。あと、主要キャラかと思ってた人があっけなく死んじゃったりするのは心地よい驚きだったけど、唐突に1シーンだけ出てきて後の伏線にもならない“教授”ってキャラには何か意味があったのだろうか。僕の見落としか。