スモール・ソルジャーズ

意思を持ったフィギュアが大暴れして大変なことになるストーリーに、主人公の少年と人外の者との友情、少年と彼が憧れる美少女との色恋沙汰の話なんかを加えて、わりとグロテスクなビジュアルにも関わらず爽やかーに終わる映画。兵隊フィギュアのほうが敵役で、モンスターフィギュア(兵隊に負けるようにプログラムされている、というのが泣かせる)のほうが心優しく、味方になるという設定が面白い。モンスター側のリーダー、アーチャー君は無愛想ながらもロマンチストでいざと言うときには勇敢で、とってもチャーミングなものだから、ちゃーんと感情移入できる。勿論、悪役のリーダーのほうも魅力的で、これはボイスキャストトミー・リー・ジョーンズの功績でしょうな。部下への「コマンダーズ!」っていう呼びかけなんて厳格なのにユーモラスで、変なニュアンスが籠もってていい。
人外側はかように魅力的なのだけど、それに対して人間達は総じて影が薄い。主人公とヒロインの二人すらどうでもいい感じだもの。印象に残ったのは無意味に二人いるおもちゃ会社開発部の人間くらいかなあ。あと、フィギュアどもが襲ってくるアクションシーンが結構退屈だった。もっと絵面、スケール共に派手だと良かったんだけど。主人公とアーチャー君の心の交流を描いたシーンはロマンチックで悪く無いんだけど、斯様な微妙なアクションシーンにはめ込まれると何やら唐突な感じがしてなあ。もっと巧く物語りに取り込んでほしかったよ。