好きと言えなくて

主人公は知性やウィットには自信があるけどルックスに自身がない女性ラジオDJ。ある日彼女の受け持つ動物に関する相談番組で知り合った男性が彼女を求めてラジオ局にやって来る。彼は偶然その場にいた主人公の友達の美人モデル(頭が空っぽで、それにコンプレックスを感じている)のことを彼女だと思い込んでしまって……という、いかにもロマコメっぽい問題が冒頭で発生し、いかにもロマコメ的な都合のいい解決が着いて終わる。他愛のない映画ではあるけれど、気持ちよく見られたので良かった。「何か着ている物を投げて」って言われて窓から投げた後靴が後で重要な役割を果たしたり、ラストで届けられるローラースケートの使われ方がユニークだったり、ムードを盛り上げるための小道具に捻りが効いてて巧い。
気持ちよく見られたのには勿論役者陣の演技も関係していて、主人公役のジャニーヌ・ギャロファロはクリスティーナ・リッチみたいな体型がちゃんとチャーミングに見えて、包容力のありそうな感じが魅力的。頭の軽いモデル役のユマ・サーマンは僕にはなんだか新鮮だったけど、意外に役に合っててこれまた魅力的。頭一つ分くらい身長差があるこの二人が並んでる絵はとても微笑ましく見えて良かった。