リバース

おお、これはまさに西澤保彦の世界!でもないか。女刑事が偶然乗り合わせた車の運転手が逆上して殺害事件を起こし、彼女自身も追われて逃げ込んだ先はたまたま時間逆行装置研究所だった!過去に戻った彼女はどうにかして殺人が起こるのを防ごうとするが、事態は悪化するばかりで……という、モロに『七回死んだ男』なストーリーなので、SFミステリ好きにお勧め。ロジックもパズラー要素もサプライズもないけど、『七回死んだ男』の六掛け程度には楽しめます。
僕としては、過去をやり直すたびに逆に被害が拡大してしまう様をもっと前面に押し出してもらって、ブラックユーモアな風味を漂わせてくれると良かったように思う。突然「全ては虚しい」ムードに突入するラストにしてもあれでは弱いでしょう。ちょうど『ファイナル・デスティネーション』(→感想)シリーズみたいな感じがこのネタとこの出発点にはふさわしいかも。
あとはあれだな。研究所唯一の職員のブライアンが可愛かった。そのくらい。