ドッグヴィル(背景色でのネタバレ含)

かなりの反感と偏見を持った上で見たのだが、面白かった。僕は同じ監督の『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(→感想)よりよっぽど好きだな。今思うと『ダンサー〜』への不満は、もっと取り繕ってほしい、真面目ぶってほしい、深刻ぶってほしい……ということだったのだけど、そのへんが今作ではそんなに気にならなかった。ラスト、赤ちゃんが殺されるためだけに具現化したように見えるのは変、最初から出しておくべきでは?とか、「エンジニアとしての能力が飛躍的に向上したビルは……」ってギャグのつもりか!?とか、性悪ドラマとしては「詰めが甘い」ように感じる部分もいくらかあったけど。
で、僕がこれを面白いと感じることができた所以は主に、見てる間じゅうずっと、非常にスリリングだったから。最後まで正味の所どういう話なのかわからなかったのだもの。いや、先の展開が読めないとかそういうことではなく、最終的にどういう意味を持つ話なのかわからないという感じ。おかげで3時間以上ある上映時間を長く感じなかった。これは本当に。でもネットに散らばってる『ドッグヴィル』感想を読んだら「ベタな話」みたいな評が複数見受けられたので、僕が物知らずなだけかも。いやあ、それにしても意外だった。面白かったことが。
そう言えばこの映画はポール・ベタニー様ご出演映画でもある(しかもかなり出張ってる!)のだけど、ベタニー様鑑賞用としてはあまり適さないのでご注意を。ニコール・キッドマン観賞用には適するかも。知らんけど。