ハルク

ハルクがぼよんぼよん跳ねたりもっさい動きを披露しながらいじめっ子・アメリカ軍をやっつける中盤はなかなか楽しめる。でもアクションシーンはアクションシーンでもラストバトルはダメだー。何やってるのかさっぱりわからないんだもの。「どんな物質とでも融合できる」といういくらでも利用価値のありそうな怪人の能力がほとんど生きていないのは実に勿体無い。
あ、ストーリーはですね、なんかもうあらすじを説明する気も起こらないようなひたすら煮え切らないもので、アメコミ風の妙なカットの組み合わせ方と相まってかなり眠気を誘います。僕はどっちかって言うとこの映画のエンディング後のお話のほうが面白そうだなーと思った。下手にシリアスな要素を盛り込んで消化不良になってる本編より、軟弱なヲタク科学者がキレると筋肉モリモリ緑の巨人に大変身!悪者をドンドコやっつけるよ!っていうアホな話のほうがずっといいじゃないか。「僕を怒らせる気か?」っていう馬鹿丸出しの安っちい決めゼリフをもっと多用してほしかった。
役者陣はなかなか色々な意味で興味深かった。ハルク役のエリック・バナは薄味のコリン・ファレルとも言うべき印象に残りにくい顔立ちがなかなか好印象。変身前は是非メガネを掛けててほしかった。主人公のライバル科学者として登場するジョシュ・ルーカスの小物っぷりも良い。この人は『ビューティフル・マインド』でも良かったんだよなあ。他の出演作も見てみるか。