2005-04-01から1ヶ月間の記事一覧

アナコンダ2

画期的な新薬の原料となる“不死の蘭”を求めてボルネオの奥地へと踏み込む製薬会社関係者達。しかし、増水により彼等の舟は遭難し、おまけに異常なまでに巨大なアナコンダがうじゃうじゃいる地帯に入り込んでしまい……というお話。 どうやら『アナコンダ』(→…

鳥飼否宇『痙攣的 モンド氏の逆説』

美術・音楽を巡り、辛口批評家ひぐらし*1主水が事件に巻き込まれる連作本格ミステリ短編集。 収録された短編を一つずつ読んでいくと……ぎゃ、なんだこりゃ!陳腐な芸術論を延々並べた後にこんなあさっての方向に突き抜けたオチを持って来るとは。おまけに本格…

我孫子武丸『弥勒の掌』

家庭内別居状態だった妻が行方不明になり、自分が殺したと疑われまでして、妻を捜そうと試みる高校教師、辻。満足させていたはずの妻がラブホテルで死体で発見されたと聞き、犯人に制裁を加えようと動き出す刑事、蛯原。二人の足取りは絡み合うが……というお…

フランク・コットレル・ボイス『ミリオンズ』

母親を亡くした小学生兄弟の弟ダミアンは守護聖人マニア。彼が聖人の真似をしてこもっている段ボールの小屋に、ある日、何十万ポンドの大金が降って来た。数日後にユーロの切り替えを控え、二人の兄弟はお金の使い方に頭を悩ませるが……というお話。 脚本家の…

ハイド・アンド・シーク 暗闇のかくれんぼ(背景色でのネタバレ含)

心理学者デビッドは妻を自殺で喪う。そして、その現場を見てしまった娘エミリーは心を閉ざしてしまう。彼女の心を開くため、一家は田舎へ引っ越すことにするが、それ以来奇妙な出来事が頻発し、エミリーは秘密の友達“チャーリー”の名を口にする……というお話。…

柄刀一『ゴーレムの檻 三月宇佐美のお茶の会』

主人公宇佐美護博士がヘンテコな事件に出くわし、そのたび同時に異次元の世界に入り込んでそっちでも事件に遭遇する、ってな「三月宇佐見のお茶の会」シリーズ第二短編集。 待望のシリーズ続編ですが、待ちすぎて前作『アリア系銀河鉄道』がどんな感じだった…

F・X・トゥール『ミリオンダラー・ベイビー』

ボクシングにまつわる短編集。みなさんご存知のように、表題作は映画化され、アカデミー賞を受賞しました。さて、この本に出て来る男達の生き様はいくらかナルシスティックであり、閉鎖的であったりもして、そのへん苦手だなあ、と思わせられるのだけど、や…

海を飛ぶ夢

岩場から海へ飛び込み首の骨を折ったラモン・サンペドロは四肢が麻痺し、それから28年間ずっと寝たきりの生活を送って来た。彼は尊厳死を望み、家族や弁護士に協力を求めるが、裁判ではそれがなかなか認められず……というお話。 ユルユルなミステリー映画を撮…

西澤保彦『両性具有迷宮』

ある夜、コンビニに出かけたお笑い百合SF作家森奈津子は、若い綺麗な娘さんでいっぱいの店内にウッハウハ。とそのとき奇妙な衝撃を受け、帰ってから股間を見るやそこには屹立するモノが!しかも、コンビニにいた娘さん達も同じ目に遭ったよう。しばらくの後…

ハサミ男

※映画のネタバレはありませんが、原作のネタバレを含みます。 男と二人、ハサミを使った猟奇殺人を繰り返す主人公・知夏。しかし、彼女等の前にある日一つの死体が現れる。まるで自分達が関わったかのようなその死体を見て、真犯人を突き止めることにした彼…

ジャック・カーリイ『百番目の男』

連続放火殺人を解決して名を上げた若き刑事カーソンには暗い秘密があった。そんな彼の前で連続して起こる謎の猟奇殺人。死体の首が切り取られ、下腹部に文字が刻まれていたことは一体何を意味するのか。彼は同僚と懸命に捜査に当たるが……というお話。 ぎゃふ…

インファナル・アフェア 終極無間

シリーズ一作目(→感想)のその後のラウが、自分をサムの子分だと知る同胞を血眼になって捜し求め、始末しようとする様子と、その前のヤンが“あの日”に至る様子を並列して描いたお話。 いやもう何が何やら。現在パートと過去パート、それにラウの幻想パート…

コンスタンティン

天国と地獄が死人を奪い合う世界の中、お痛が過ぎた悪魔を地獄に送り返すことを生業にしているコンスタンティン。タバコの吸いすぎで余命幾ばくもない彼は、アンジェラという女刑事にまつわる悪魔の企みを感じ取るが……というお話。 堂々としたB級SFアクショ…

飛鳥部勝則新刊

『誰のための綾織』という本が原書房のミステリー・リーグから5月に出るようです。 キーワードは「日本間密室」「誘拐」「新潟県中越地震」「監禁」「女子高生」だそう。うわ、地震をネタにするのか!今度は久々に女子高生が主人公らしいし、楽しみだなあ。 …

山崎まどか『ブック・イン・ピンク おしゃれ古本ガイド』

女の子好きのする古本を集めたブック・ガイド。ファッションに関する本、食に関する本、音楽や映画に関する本、と細かく分けた章立てとミニ・コラムに、暗く湿ったり騒がしくなったりしながらひたすらキラキラ光る文章がちょこん、と座っていて、とても楽し…

北川歩実『恋愛函数』

結婚相談所で知り合った男女の間で起こるトラブル、殺人事件。事件を起こしたカップルを引き合わせたのは、恋愛に関する相性を弾き出す“GP値”だった。結婚相談所の関係者である作家・貴井とGP値研究所員の沙耶は事件の裏を探るが……というお話。 あー、タルか…

ナンシー関・リリー・フランキー『小さなスナック』

ナンシー関とリリー・フランキーの対談集の文庫化。続編は決して出ないというところが悲しい。『隣家全焼』や『堤防決壊』で町山広美が邪魔だったように、ナンシー関ファンとしては読んでるとリリー・フランキーが邪魔に思えてくるのだけれど、まあ特にこの…

R・D・ウィングフィールド『夜のフロスト』

毎度おなじみデントン警察署。将来有望なはずの若手部長刑事ギルモアは、配属初日から老いぼれでとにかく下品な警部フロストの下でうんとこ働かされ、おまけに署は流感の影響でとんでもない人手不足で……というお話。 フロスト警部シリーズ第3作。シリーズ最…

ブレイド

秘密の出生を持ち、吸血鬼退治に明け暮れるブレイドはある日、吸血鬼に咬まれた女性を助ける。彼女が吸血鬼に変身しないよう、とりあえず身近に置いておくことにした彼は一方、吸血鬼組織の新勢力の台頭に危機感を感じる……というお話。 銀の弾丸をぶっ放した…

アナコンダ

伝説の部族のドキュメンタリーを撮ろうとアマゾンの奥地へ船で踏み込んだ一行は、事故でケガ人を出し、引き返すことにする。が、途中で同乗することになった怪しい男の企みにより、不気味なヘビの影が見え隠れする地帯へ誘導されて……というお話。 意外に悪く…

ハウス・オブ・ザ・デッド

無人島で行われるパーティー。送迎用の船に乗り過ごした若者達が遅れて島に着いてみると、あたりの様子がどうもおかしい。おまけに、得体の知れない怪物達が襲って来て……というお話。 えーと、全然ゾンビ映画じゃないですね。じゃあ何映画というとアクション…

フライト・オブ・フェニックス

閉鎖されることになったアフリカの油田にやって来た飛行機。作業員を乗せて飛び立った機はしかし、砂嵐に巻き込まれ、墜落してしまう。砂漠の真ん中で救助も呼べず、成すすべもなく途方に暮れる中、乗客の一人が飛行機を修理することを提案する……というお話。…

矢野龍王『時限絶命マンション』

主人公が管理するマンションで突然始まった殺人ゲーム。指定時間までに人形を他の部屋に渡さないと、首輪が爆発し、死に至ると言う。おまけに外に出ることも誰かを招き入れることも禁止。煩悶する彼を置き去りに、事態は進行していくが……というお話。 ダメだ…

谷川流『涼宮ハルヒの動揺』

シリーズ第6弾にしてまたも短編集。ハルヒ話の「ライブアライブ」、長戸さん話の「ヒトメボレLOVER」、みくる話の「朝比奈みくるの憂鬱」、オールキャラの「猫はどこに行った?」とおまけの「朝比奈ミクルの冒険 Episode 00」と、バランスよく収録。 短編は…

真梨幸子『孤虫症』

平凡な主婦、麻美は夫との間柄が冷え、娘にも邪険にされる生活の中、何人もの男とフリーセックスを楽しんでいた。だが、彼女が下腹に妙な痛みを覚え始めると同時に、関係を持った男達が次々と謎の死を遂げ……というお話。 第32回メフィスト賞受賞作ということ…

笹公人『念力姫』

一部で大評判のヘンテコ歌人、ついに二冊目が出ちゃったってことでまとめ買い。どちらも短歌を中心にした作品集で、『念力家族』のほうは念力だの先祖霊だの金星の王女だのが出て来るSF・オカルト短歌多し。『念力姫』も大体同じ傾向ながら、こっちは80年代…

笹公人『念力家族』

倉阪鬼一郎『冥い天使のための音楽』

奇妙な塔を伴った古い洋館。その庭には、“彼”が作り出した死体が埋まっている。死体の数が増えるたび、“彼”の館は完成に近づいていき、ヴィオラ奏者の香子は少しずつその企みに巻き込まれてゆく……というお話。 あの倉阪鬼一郎がミステリー・リーグで何書いた…

福澤徹三『廃屋の幽霊』

例によってオーソドックスな筋書きに捻りを加えた怪談×7を収録した短編集。さすがにこの作者の書くものにも慣れてきたせいか、先の展開が読めすぎてしまって若干興が醒める部分はあったものの、全体的には『再生ボタン』(→感想)に匹敵するくらい粒ぞろいな…

バンジージャンプする

雨の日に相合傘をして巡り合った二人。彼は彼女の周りをウロウロし、不器用ながら想いを伝えてゆく。だが、彼が旅立つ日、彼女は約束通り見送りには来なかった……。時は流れ、教師として働く彼は、ある男子生徒に眼を留めるが……というお話。 映画が終盤まで(…