コンスタンティン

天国と地獄が死人を奪い合う世界の中、お痛が過ぎた悪魔を地獄に送り返すことを生業にしているコンスタンティン。タバコの吸いすぎで余命幾ばくもない彼は、アンジェラという女刑事にまつわる悪魔の企みを感じ取るが……というお話。
堂々としたB級SFアクションではあるのだけど、どこか物足りない。おおっと思うような絵面が最後まで現れないのだもの。冒頭のエクソシズムの場面で印象に残るのは変なポーズでロープを引っ張るキアヌの間抜けさだけ*1だし、ラストバトルでせっかくトンチの利いた悪魔始末法をこなしても、どうも小気味よさに欠ける。地獄の風景だけはちょっと印象に残ったけれど。あと、一癖ありそうな登場人物達のキャラが立ちそうになった途端、次々に死んでいってしまうのはどうか。感情移入する暇もないっての。ヒロインとの恋模様もどうにも盛り上がらないし、なんだかいろいろ勿体無いなあ。エンドクレジット後のアレとか。
主演のキアヌ・リーヴスは間延びした表情と到底肺ガン患者には見えない鈍重さで全編を押し通していて良し。この人のアホっぽさは宝物ですな。ヒロインのレイチェル・ワイズはますますコワい顔。ガブリエル役のティルダ・スウィントン、ある重要な役のピーター・ストーメアはやたらと存在感があって、この映画には不釣合いなくらい。

*1:これはこれで面白いからいいのだけど