2004-02-01から1ヶ月間の記事一覧

東野圭吾『悪意』

まあ東野クンのことなので。さすがにそつのない感じ。終盤で出てくるドンペリの存在の意味なんか、唸らされるなあ。犯人の真の動機が問題となるミステリなのだけど、同じ動機の面を重視したミステリでも例えば西澤保彦が書くものなんかに比べるとはるかに健…

ラットレース

鼠を競わせる話かと思ってたら違った。タイトルは「死にもの狂いの競争」を表す慣用句だそうで。えー、庶民どもがラスベガスからニューメキシコの小都市の駅のロッカーに入れてある大金を目指して競争し、金持ちは誰が勝つか賭ける、という筋のコメディ。始…

ゴジラ

ハリウッド版のやつ。ゴジラの全体像が映るまではなかなか面白かった。怪獣映画の見方なんて知らんけど、ビルの谷間を何か巨大なものが歩いてて、窓とかから体の一部分だけが見えるって図はなかなかシュールでよろしいな。中盤のゴジラの卵が大量に孵化して…

ハイスクール・ウルフ(最終回)

すげー!このドラマすげー!終わってから言うのもなんだが、やっぱりすごかった……。元々このドラマは意図せずにやおいテイストを醸し出してしまってる度合いが半端じゃなかったが、最終回でこのドラマの業とでも言うべきものを見たね僕は。いやー、こういう“…

カオス

↑の『さらわれたい女』を映画化したもの。ちなみにロバート・デ・ニーロの製作でハリウッドでリメイクされるという話もあるらしい。実現したら新本格作家としては快挙だな。 さて、内容のほうですが、えー、あれですね。次の展開がわかっているサスペンスほ…

歌野晶午『さらわれたい女』

歌野の未読本潰しは気が向いたときに進める方向で。えーと、この本はですね。まあ、安いミステリですな。安いミステリの癖に欲張った結果つまらんものになってしまったという感じ。二転三転する展開が見所の誘拐サスペンス、なはずなのですが物語が二転三転…

13F(背景色でのネタバレ含)

原作がわりと古めのSFということで、映画のほうもそんな感じ。仮想世界に意識を送る装置を開発中の会社の社長が殺されて、ナンバー2の男がその死にまつわる謎を追う話なのだけど、この仮想世界ネタの扱い方がなんだか昔っぽい。特に物語中ほどで明かされ…

少林サッカー

やあ。『食神』と比べるとCGを初めとする映像効果が野暮ったいなりに小綺麗に、そして派手になってて、快く楽しく見れますな。今度は無理なスポーツマンガ路線というわけで、日本のマンガっぽいのは変わらず。映像が激しくなった分セリフとか小ネタ的な部…

食神

しっかりきっちり馬鹿馬鹿しい、という感じ。微妙におしいとこ(「前世の姿」はもっと変な物にするのがお約束でしょうに!とか)がありつつも素直に声を出して笑えた。裏切りにあって失脚した料理名人が持ち前の発想力と○○○の力で華麗に復活!というストーリ…

シュレック

囚われのお姫様を助け出した怪物が姫と恋に落ちてうんたらかんたらする、小ネタ満載のパロディっぽいアニメ。うーむ。確かに捻りのあるいい話ではあるのだけど、これではちょっと物足りないような。姫があんなに簡単に怪物に惚れるだろうか、とか、主人公達…

ジョン・アーヴィング『ガープの世界』

アーヴィングはすごい。文庫上下巻で計1000ページ弱もあるこんなに長い話が一気に読めるんだから。この優しくてちょっとすっ呆けてる語り口は癖になってしょうがない。全く。 でもこの小説に関しては今まで読んだアーヴィング作品ほど好きなものではないかな…

イングリッシュ・ペイシェント

なーんかなー。悪い意味で純文学っぽい。記憶喪失の死にかけ男の過去の恋の物語(戦中)と現在その男がいる空き家に住んでる人の悲喜こもごも(終戦直前)が同時進行で語られるんだけど、過去の話のほうは男も女も底抜けに身勝手で、とてもついてけない。し…

クリスティ文庫の解説を石崎幸二が!

web

おお、これは耳寄り。石崎ファンは急いでチェックだ!しかし石崎くん、新刊はまだかい。 あ、あと鳥飼否宇が創元社のミステリ・フロンティアに書くらしいよ。タイトルは『太陽と戦慄』。紅蓮魔さんのところで知りました。

プリティ・プリンセス

ダサくてみんなの笑い者の主人公ミアは実はヨーロッパの小国のお姫様だった!という今どき少女マンガでも読めないようなお話。ポイントは野暮ったい女の子が美しく王女の威厳を持った女性に成長する、という筋に学園モノとしての要素を加えていることで、「…

Love Letter

ふーん。これが岩井俊二か。初めて見た。わりと普通なんですね。トレンディドラマでもこういうの見れるんじゃないかって気がするよ。最後の中山美穂の死んだ恋人への呼びかけはやりすぎでちょっと引くし。 でも全く面白くなかったかというとそんなことはなく…

柄刀一『殺意は青列車が乗せて』

「天才・龍之介がゆく!」シリーズ最新作。しかしこのシリーズ名は何とかならんのか。前作に引き続き長編かと思ったら連作短編集で、中身は全てにおいて相変わらずな本格ミステリ。相変わらずすぎてちょっと退屈な面が無いこともないけど、まあ安定してるっ…

ダンサー・イン・ザ・ダーク

わあ、面白い……か?とりあえずビョークが凄すぎて、映画としてどうかなんてことはどうでもよくなるくらい、ビョークが凄いですね。ミュージカルのシーンだけ見直してしまったくらい。特に私はもう見たのよー♪って歌のシーンはとても綺麗で、変な動きをする釣…

バースデイ・ガール

このビデオ「サスペンス」の棚に置いてあったけど、騙されちゃいけない。何だか知らんが超純情ラブコメでしたよ。あ、それともサスペンスと思わせといてラブコメってのが意外なオチってこと?確かに物凄く意外だったが。まあいいや。ともかく、ミエミエなサ…

中島望『人形はひとりぼっち』

まず作者プロフィールの「リンゴは握りつぶせるが、ミカンは握りつぶせない。」という言葉に大笑い。わはは。あとがきの締めの言葉が「立ち読みはするなよ。」ってのも良いな。立ち読みなどしたら一生治らないケガを負わせられそう。怖い。 さて、この作品の…

ウインドトーカーズ

戦争映画をまともに見たのは初めてかも。そこかしこで爆発してておもしろー。炎のしっぽがやけに長いし。でも発砲音が地味だな。あと、『スターシップ・トゥルーパーズ』(→感想)並みに無計画な軍事行動に見えた。あんなもの? 人間ドラマのほうは何を主軸…

新刊情報

・3月上旬 黒田研二『白昼蟲』講談社ノベルス ・3/16 芦辺拓『時の誘拐』講談社文庫 ・3/26 畠中惠『しゃばけ』新潮文庫 以上、買うもの。『しゃばけ』は萌えに期待。

歌野晶午『ジェシカが駆け抜けた七年間について』

『葉桜の季節に君を想うということ』の後なので、軽めのジャブって感じなんだろうか。分量少なめで全体の構造もシンプル。さらっと読めてああなるほどってな読後感のいつもの歌野節本格ミステリですな。普通に面白いけど特別凄いところはないような気がする…

小森健太朗『大相撲殺人事件』

ありゃー全然ダメだー。哀しくなるほどつまらなかった。僕は新本格直撃世代ではないのでかつてはあったのだろうこの作家に対する共通認識を共有してないし、そもそも著作を読んだのは今回が2冊目ってなもんで全然詳しくないのですがそれでもなんとなくわか…

嗤う伊右衛門(背景色でのネタバレ含)

やけにグロいシーンが一つあって、それ以後「またあれぐらいグロいシーンが来るのでは」と身構えてしまったためにいまいち入り込めなかったのが残念。岩と伊右衛門の再会シーンあたりまではかなり好印象だったのだけどその後はあんまりピンと来なかったかな…

WATARIDORI

ツルから白鳥からワシからペンギンまで、いろんな渡り鳥が渡ってたり適当に群れてたりする様をひたすら写したドキュメンタリー……風(こんな感じらしい)な映画。 正直少し退屈だったのだけど、本物だからこそ逆に嘘っぽいようなある種のリアリティーがある映…

ラブ・アクチュアリー

いいねえ。登場人物がみーんなかわいらしくて。このかわいらしいってのは「微笑ましい」に近いニュアンスのかわいらしさ。一応憎まれ役っぽいポジションのキャラもいるんだけど、一人として「こいつ邪魔だな」とは思わなかった。群像劇風ロマコメとしては理…

西尾維新『零崎双識の人間試験』

Web連載で全部読んでるんで特に新しい感想はなかったり。ノベルス落ちの際の加筆部分は『ヒトクイマジカル』に出て来たあの人とかあの人の登場場面かな。いかにもキャラモノ的売り方な加筆の仕方ですな。そのそつなさにはいつもながら感心だ。登場人物の一言…

清涼院流水『彩紋家事件 後編 下克上マスターピース』

おお、後編まで読むとちゃんと流水大説になってますね。ちょっと感心。『コズミック』の時点でここまでの(ある意味、壮大な)展開を既に考えてたんならほんとに感心ちゃうかも。ま、そんなことはどうでもいいとして、最近流水師が書き散らしてた細々とした…

コンフィデンス

言い尽くされていることではあるけども、やはりこういう「あなたは必ず騙される!」みたいな宣伝の仕方はどうかと思うわけで……。詐欺師モノ映画には付き物なんだろうか。この映画なんてただでさえなんてことないオチなのに、より一層興趣を削ぐようなことを…

ヤン・マーテル『パイの物語』

えー、オチこれだけ?「衝撃のラストシーン」(帯より)には程遠い気が。ミステリサイト周辺でも評判良かったし、かなり期待してたんだけどなあ。ちょっとがっくり。 前半のちょっと変わったインド人少年の生い立ちを語る部分は大して面白くなくて、読者を引…