プリティ・プリンセス

ダサくてみんなの笑い者の主人公ミアは実はヨーロッパの小国のお姫様だった!という今どき少女マンガでも読めないようなお話。ポイントは野暮ったい女の子が美しく王女の威厳を持った女性に成長する、という筋に学園モノとしての要素を加えていることで、「急な変化に戸惑われ、一時親友と疎遠に」等のお約束イベントをこなしているあたり好感が持てる。ただ、僕としてはこれではまだ不満だ。ああ、せっかく学園モノのお膳立てが整っているのに勿体無い、勿体無いよ!
一番勿体無いのはあの赤髪のヲタク少年というキャラを有効活用しなかったこと。なんて勿体無いんだ!少なくとも主人公とその親友はあのヲタク君とわりあい仲が良い、という設定を語っておくべきだった。それすらないってのはひどいじゃないか。あんなに意味ありげに画面に出てくるのに。この例に代表されるように、全体的にいまいち学友のキャラ付けが甘いんだよなあ。特に主人公の最終的な恋のお相手とか。大人達はみんな十分にキャラ立ってるだけに、ああ勿体無い。
ま、でもそのへん気になったとは言え、アメリカの学園モノが好きな僕にはそれなりに楽しめた映画。主人公役のアン・ハサウェイのルックスは僕には微妙だったけど(「何も見ないでジュリア・ロバーツの顔を描いて下さい」って言われて描いた絵みたいな顔)。何故か随所にファレリー兄弟ばりの無意味な伏線ギャグがあるのも面白い。笑えはしないが。