イングリッシュ・ペイシェント

なーんかなー。悪い意味で純文学っぽい。記憶喪失の死にかけ男の過去の恋の物語(戦中)と現在その男がいる空き家に住んでる人の悲喜こもごも(終戦直前)が同時進行で語られるんだけど、過去の話のほうは男も女も底抜けに身勝手で、とてもついてけない。しかも不倫の恋だったりで。かーっ。二人が勝手に自分達だけの新しい世界に突入して自己完結するのを半ば呆れて見てました。
それに比べると現在の話のほうはわりと良い感じ。看護婦役のジュリエット・ビノシュの功績かな。この看護婦もいろいろ辛い思いをしてるんだけど、そんな中で芽生える恋がささやかながらロマンチックに描かれていて良い。お相手が意外な人物なのがいいんだよなあ。特に、ロープで引っ張り上げてもらって壁画を見るシーンは印象的。こっちのお話がなければかなりひどい映画になるところだったかと。