中島望『人形はひとりぼっち』

まず作者プロフィールの「リンゴは握りつぶせるが、ミカンは握りつぶせない。」という言葉に大笑い。わはは。あとがきの締めの言葉が「立ち読みはするなよ。」ってのも良いな。立ち読みなどしたら一生治らないケガを負わせられそう。怖い。
さて、この作品の見所は中島望富士見ミステリー文庫という軟弱レーベルでどう書いたのか、ってところにあるわけですが、浮いてるでもなし、変な萌え要素導入でおかしくなってるでもなし、意外に普通。女の子を主人公に据えたことでいつものオヤジ臭及び厨房臭(この二つが同居してるのって凄いな)がだいぶ抜け、主人公に全く感情移入の隙がないという事態も改善されております。まあ。
でもだからと言って面白くなってるわけでもないんだけどね。なんか無意味に登場人物多くって、さばき切れてない印象あり。全くいる意味ないやついるし。主人公が結局恋に落ちないのも富士見的には問題あるんじゃないだろうか。ま、そのへんはシリーズ続いてくうちに改善されるんだろうけど。雑賀先生はイラストがなければ萌えキャラだと思った。僕の趣味では。