映画

アメリカン・パイ in バンド合宿

アメパイシリーズ番外編。本シリーズと違って学園階級間恋愛及び学園階級間友情の成立にあまり爽快感がないところがつまらないのだけど、一貫したベタッとした甘さで一本の映画としてはまとまってるかな。最初はスティフラーの弟(今回の主役)が何故こんな…

スケルトン・キー

これ、オチは悪くないんだけど、そこに至るまでの過程が全然盛り上がらないのは、不気味な館の雰囲気に追い詰められてゆく主人公にマゾっ気が足りないせいでしょう。ケイト・ハドソンじゃ骨太すぎる。余命幾ばくも無い老人に父の面影を重ねて過剰に思い入れ…

綴り字のシーズン

驚いたことにそこそこ原作*1に忠実でした。絶対にやらないだろうと思っていた、主人公の少女が宗教的高揚に達して床に倒れ伏し、全身をビクビク痙攣させるシーンまでやっていたのにはびっくり。他にも、母親の「万華鏡の部屋」内部の様子だの、少女が見るビ…

チキン・リトル

プロローグが猛烈にダメでどん引きしたものの、終わってみるとそんなに悪くなかった。最近のディズニーアニメでは出来がいいほうでしょう。いまいち立体感に乏しいCGキャラ*1と未整理な脚本に囲まれながらもボイスキャストの皆さんが頑張って頑張って、それ…

エコーズ

つまんねえ……。監督が『シークレット・ウィンドウ』の人というのに非常に納得。あれと同種のつまらなさです。リチャード・マシスン原作(!)によるプロットはありがちな「何かを訴える自縛霊もの」で、別にそれはいいんだが、幽霊の望みが(観客に)明らか…

50回目のファースト・キス

メメント病(短期記憶が1日しかもたない)を患ったヒロインとの恋物語、という突飛な設定を除けば実に他愛ないお話であるのに、意外なほど泣けた。これはやはりキャスティングの勝利かな。 主演のアダム・サンドラーとドリュー・バリモアは、「そんな毎日毎…

ロード・オブ・ウォー

主人公が悪魔の商売だとは知りつつ武器売買にハマってゆくのは、生まれ持った業ゆえのことであって、それはとても悲しいことだよね、という風に見せたいんだろうけど、全然“業”って感じがしないです。そもそも主人公は武器商人としての才能があるように見え…

キング・コング

度が合わなくなってきたメガネのこともすぐ忘れるくらいの絵力でどかーんと展開される映像はさすがにすごい。草食恐竜の群れから必死で逃げるシーンなんかは大興奮でした。そして沈む日と昇る日を一緒に眺める一人と一匹の姿はえらくロマンチックで哀しくて…

バットマン ビギンズ

えーと、一番期待してたキャラ立ちの面について言えば、これはキャスティングに頼りすぎだろう。そりゃこれだけの豪華キャストを揃えれば、キャラなんて顔が語ってくれるんだが、脚本の支援がないとそのキャラも動かないぜー? そりゃ新シリーズ一作目だから…

ザスーラ

なかなか良質なファミリー映画ではないかと。年末に家族で観るならこれが一番いいかも。『チキン・リトル』まだ観てないけど。見え見えの伏線を適度に焦らしながら拾ってゆく模範的な展開が楽しい。ヌルめのギャグも微笑ましくて良かった。ボードゲーム「ザ…

グレムリン

意図せずにナイス・タイミングで見てしまいました。そうかこれクリスマス・シーズンのお話だったのか。いやもうあちこち歪んでてすごいです。普通にファミリー映画を展開させられる下地があるのに、あらゆる伏線を全く回収せず趣味の悪いグロ描写優先で進ん…

蜘蛛女

ケチな小悪党ゲイリー・オールドマンが不相応な夢を見てしまったばっかりに悪女レナ・オリンの餌食となってどんどん堕ちていく、という話の「ケチな」と「不相応な」と「悪女」の部分にものすごく説得力があるので、そりゃあ堕ちるわな、と引き込まれた次第…

NOEL ノエル

クリスマスだというのに心が寂しい人々の群像劇、なんですが、スーザン・サランドン以外誰一人として寂しそうに見えないよ。家族に死なれた系の安易な不幸設定を使いすぎなのが悪いんだと思われる。そもそもキャスティングが何かおかしい。愛する彼の異常な…

Mr.&Mrs. スミス

主演の二人がリビングで本気で殺り合う模様が何故か「犬も食わない夫婦喧嘩」に見えるシーンは良かった。あとはいまいち。お姉さんっぽいアンジェリーナ・ジョリーはともかく、少年臭いブラッド・ピットは僕にはあまり見られたもんじゃないのですよ。ラスト…

七人のマッハ!!!!!!!

えー、この映画に皆さんが期待するバカアクションは映画が始まって大体一時間が経過しないと観られません。前置き長いっての。しかもその一時間のうち30分くらいはテロリストが罪のない田舎の村人を延々虐殺するシーン。やりすぎ。それでも肝心のバカアクシ…

イン・アメリカ 三つの小さな願いごと

あんまり面白くなかった。喪失感と疎外感で不幸に埋もれる一家を救う隣人の扱いが適当すぎる気が。都合のいいキャラとして登場させた末にあの最後では可哀想だ。あと、健気な姉妹と必死で幸せを演じる母親にはそれなりに説得力があるのだけど、サル顔のお父…

ミリオンズ

100%のピュアネスを体現する主演のアレックス・エテル君の力強い顔立ち! この役にこの子を押さえた時点でもうこの映画の失敗はないわけです。しかしだからと言って成功しているかというと微妙。イメージに頼りすぎてきっちりした説明が疎かになっている箇…

バス男

とてもよく出来た幸せな映画。ちょっと変すぎる登場人物に対して、ベタベタした共感ではなくあくまで優しい視線が向けられている、という感じの演出が良い。一番盛り上がるべきあのダンスのシーンで僕は若干醒めてしまったのだけど、そんな風な演出のおかげ…

幸せになる彼氏の選び方 負け犬な私の恋愛日記

これ、途中まではなかなか期待させる感じなんですよ。主人公の婚約が明かされる冒頭部から巻き戻して、五人の男それぞれとのファーストデートを同時進行で見せる趣向に「この中の誰が結婚相手?」というサスペンスがあって。でも中盤の早い段階で「もうコイ…

魔王

性的なニュアンスは含まずに、でも確実にヤバい意味での“子ども好き”、という主人公のキャラクターをジョン・マルコヴィッチが好演していたとは思うのだけど、うーん、なんだろ。一本筋の通った流れが見えにくかった。ドイツ軍学校に子ども達だけ取り残され…

ミート・ザ・ペアレンツ2

日本公開が遅れたせいですっかり盛り下がった感のあるこの映画。今度は婿の実家が舞台ということで、舅と実父の強烈キャラ対決にでもなるのかと思ったら、あらら、やってることは前作とほぼ同じですよ。状況は前作と違う(今度は舅のほうが“よそ者”)のに、…

ノンストップ・ガール

「尽くす女」が行き過ぎて逃げた夫のストーカーと化す主人公の奇矯な行動が実に淡々と映されていて、そのギャップが笑い所となるようなコメディ。なんだろうけど、あまり笑えず、感心もできず。出て来る人達のキャラクターの微妙な歪みは楽しいんだけど、そ…

ジム・キャリーはMr.ダマー

ファレリー兄弟デビュー作。下ネタ全般及び障害者ネタ及び動物虐待ネタがこの時点で全て揃っているのには感心するけれど、どれも突き抜けていなくて中途半端。あの絶滅危惧種はもっとヒドい死に方をするべきでしょう! ダメ友情ものとしてもイマイチかな。 …

真実の囁き

セリフにも何度も出て来る「境界線」。この、人種と人種、世代と世代の間にある強固でとても越えられなさそうなものの向こう側が、最後の最後にちょっとだけ透けて見える、というさり気ないメッセージ性がいい。あくまで歩み寄りの可能性だけを示して実際に…

フォー・ブラザーズ/狼たちの誓い

やたらと人の命が安く、バンバン死にまくるわりにどうしてこんな呑気なムードが漂ってるんだろう。ほとんど緊張感のない四兄弟の仲良しこよしはまあ微笑ましいものとして見られるんだが、だったら無理に雰囲気重くするために死人を出すなよと言いたい。何だ…

アンフォゲタブル

なかなか模範的なサスペンスでした。展開の意外性に欲を出しすぎなかったのが良かったのか、主人公が最初の記憶転移に挑むシーン以降はダレ場がなく面白い。主演のレイ・リオッタはヒーヒーハーハー言って大発奮。それでも完全に“頭のおかしい人”になってし…

ダーク・ウォーター

オリジナルの『仄暗い水の底から』はあれはあれでいろいろ問題のある映画だったけれど、これに比べるとすごく面白かったなあ、と思える。もう、怖くないのなんのって腹立つくらい。主人公の娘がトイレで怪異に遭うシーンなんて何かのギャグかという感じだっ…

イン・ハー・シューズ

こじれていた人間関係がそれぞれのほんのちょっとした労わり合いと反省で奇跡のように(でもあくまでささやかに)回復して、前より大きく暖かなサークルができる、という話は好きなので、これも好きです。寂しい女が寂しくなくなるのに特に男の助けは必要な…

親切なクムジャさん

うはは。オリエント急行かよ! というわけで、クライマックスの復讐実行の場面は悪趣味なコントみたいで実によろしい。哀切さと滑稽さと残酷さと皮肉さが全部入り混じって、観ているこっちの気持ちがフラつく異様な盛り上がり。でも観終わって振り返るとそこ…

イントゥ・ザ・ブルー

うーん眠かった。前夜寝不足だったせいもあるんだが、メリハリのないダラダラ演出にかなり眠気が誘われた。ガンガン襲って来るのかと思ったサメさん達が申し訳程度の出演だったのも痛かった。これはどうにも。つまらん。 もちろん、これは出来がどうであれヒ…