綴り字のシーズン

驚いたことにそこそこ原作*1に忠実でした。絶対にやらないだろうと思っていた、主人公の少女が宗教的高揚に達して床に倒れ伏し、全身をビクビク痙攣させるシーンまでやっていたのにはびっくり。他にも、母親の「万華鏡の部屋」内部の様子だの、少女が見るビジョンだの、兄の某宗教への傾倒だの、観客を置き去りにしてヤバ気な道を突き進む家族の姿の捉え方はなかなかの迫力。
ただ、気になるのは終盤の展開。ある程度前向きな結末にする必要があったんだろうけれど、そのために家族の問題を全部父親のせいにしちゃうのはどうだろう。すれ違いは全員の責任だろうに。
主演のフローラ・クロス嬢は中性的な風貌に魅力はあるのだけど、演技がいまいち。呆然と突っ立っているようにしか見えないシーンがいくつもあった。兄役のマックス・ミンゲラ*2は地味で野暮ったい顔立ちと体格が使い方によっては映えそう。学園もので見てみたい。