真実の囁き

セリフにも何度も出て来る「境界線」。この、人種と人種、世代と世代の間にある強固でとても越えられなさそうなものの向こう側が、最後の最後にちょっとだけ透けて見える、というさり気ないメッセージ性がいい。あくまで歩み寄りの可能性だけを示して実際に歩み寄るところは見せない、というさり気なさ。主人公の人種間恋愛の結末にはちょっと納得いかないんだけど。
ビデオ屋では「サスペンス」の棚に置いてあったけれど、サスペンスとして見ると見え見えのオチで引っ張りすぎ、という印象を与えて腹立つと思うので注意。汚職保安官役のクリス・クリストファーソンが実にムカつく感じで良かった。