アストリッド・リンドグレーン『はるかな国の兄弟』

あってはならない冒険に立ち向かい、どこまでもとり憑かれながら、たき火とお話の時代の国を求めて自殺を繰り返す二人の兄弟! うーん、いかにもなファンタジー世界を見せておきながら、なんて根暗なんだ。臆病な弟君がクライマックスで最大の勇気を振り絞ってすることも自殺。残酷な炎に汚れそうな不思議な国の有り様にはそんなに惹かれなかったものの、この根暗っぷりには惹かれた。
しかし自殺してでも夢を追い求めるからこそこの兄弟の生き様は儚くも美しいのかも。根暗とか言っちゃいけないかな。