キング・コング

度が合わなくなってきたメガネのこともすぐ忘れるくらいの絵力でどかーんと展開される映像はさすがにすごい。草食恐竜の群れから必死で逃げるシーンなんかは大興奮でした。そして沈む日と昇る日を一緒に眺める一人と一匹の姿はえらくロマンチックで哀しくて、なるほど、これなら感動してやらないこともないよ、と偉そうに思ったことです。
ただ、まさに一世一代の名演技を見せるナオミ・ワッツに比べるとコングのほうにはそれほど思い入れられなかったのが残念。お手玉するナオミを何度も指で倒すシーンみたいな、無邪気な攻撃性が最後まで残っていてくれてれば。
エイドリアン・ブロディの嫌味な顔立ちを活かした配し方を始め、キャスティングも全体的によく考えられていると思うのだけど、やっぱりトーマス・クレッチマンはお飾りみたいな扱いか……というのが若干悲しかったです。