2003-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『大江健三郎全作品 第Ⅰ期 1』

うははは。何故今自分は大江を読んだのだろう。しかも全集本で。全集本って字が詰まってて読みにくいのよな。でも一応評論以外は全部読んだ。 収録作の中で面白いと思ったのは「他人の足」「偽証の時」「人間の羊」「芽むしり 仔撃ち」あたり。「他人の足」…

双葉双一『ママレードパイのかわいい食事』

この人のCDは初めて聴いたけど、何だかはまりそうで怖い。「物凄く変で一種不快な声」+「メロディーはわりと普通だけど歌詞が怪しい曲」の組み合わせのバランスが絶妙で、慣れてくると癒し系な感じに思えてくるかも。と言うか、もう既にこれを聴くと微妙…

別役実『風の研究』

長いの読んだ後なので童話集でも読もうかってことで。で、別役実の童話は初めて読んだのだけど、いやー、これもいいなあ。この奇妙に寂しい感じは癖になりそうな。あんま面白くないのもあるけど、シュール過ぎてほとんどギャグの領域に踏み入ってるように思…

ジョン・アーヴィング『ホテル・ニューハンプシャー』

やー面白いなあ。長い小説が読みたい気分だったので読んだのだけど(そしてアーヴィングは初読みだったのだけど)、期待以上に面白かった。長いけど乗って来るとすらすら読めるし。家族ネタはもう食傷気味かと思ってたのだけど、やはりスタンダードは面白い…

クジラの緑は無宿人の緑

飛鳥部勝則と小川麻琴の間には新潟県出身という共通点があるのに気づいた。 もちろん、何の意味もないが。

穀潰し微調節

十兵衛ちゃん2の十兵衛ちゃん役は堀江由依がやるそうで。西村ちなみ声のおじゃる丸すら悲しくて見れないのに、そんなの見たら泣いてしまいそうだ。。。でもたぶん地上波でやるなら見るけど。 あああ、でも納得いかないよ。プラネテスのアニメでユーリの役を…

原作・山口雅也 作画・霜月かいり『キッド・ピストルズ〜パンク=マザーグースの事件簿』

わはは。単行本買っちまった。これって原作が好きな人にとっては許しがたいマンガなのかもしれないけど、どっちかっつーと原作のアンチに近いポジションにいる僕としてはこのくらいがちょうどいいのですねー。全体的にすっかり安くなっちゃってて原作のあの…

キリンジ『For Beautiful Human Life』

キリンジの五枚目のアルバム。とりあえず今の時点での印象をまとめておく。 全体的に、新しい方向に進もうとしてるのはわかるんだけどその方向ってどうよ、という感じ。七曲目以降がどうにもピンと来ないなあ。「スウィートソウル」は別にして。「the echo」…

鰆を押し付ける

僕は北海道に住んでるのですけどね、今朝方地震がありまして。 わーこんなに揺れたの久しぶりーといった感慨を味わいました。 そうそう。地震ってこんなんだったよなー。 ところでキリンジの新アルバムの中ではとりあえず「奴のシャツ」が気に入った。口を開…

高橋源一郎『ジョン・レノン対火星人』

あああああ、だから感想が書きにくいってば。とりあえず「ジョン・レノン対火星人」のサイン送ってみたけどね僕も。なんだか、どこにも届きそうにないサインだけど。 『さようなら、ギャングたち』に比べると終り方が若干受け入れやすかった。いや、受け入れ…

寺山修司『赤糸で縫いとじられた物語』

童話集。さすが寺山だけあって詩的な感じ。『少女詩集』に近いかな。あれよりはもっと飄々としてるように思うけど。 ストーリーのみを追うと「愛ゆえに生じたすれ違いの悲劇」みたいな話が多いのだけど、それよりはもっと小道具的な部分が気になった。物語の…

略称の覚え間違いじゃなくて

web

・殊能たんがこのCDを買ったらしい。すげえ。 ・元さんのアンケート第8回は『だって読書の秋だもん ミステリ・SF編』だそうです。みんなでこぞって薦め合い、すれ違いましょう。

あの世で罰を受けるほど似て蝶

今売ってるTVブロスのキリンジの特集が良い。高樹お兄ちゃんのメガネ着せ替えという反則企画には「私の体の中の未知の器官が刺激されている……!」という気分になった。と言うわけで明日は待望の新譜、『For Beautiful Human Life』を買いにいくのです。 ち…

高橋源一郎「さようなら、ギャングたち」

感想書くのが難しいので箇条書き。 ・高橋源一郎のデビュー作。この人の本初読み。 ・あらすじは書いても無駄だから書かないけど、あらすじだけ見れば結構普通の小説なのではないかね。知らんけど。 ・裏表紙にあるところの「独創的な文体」ってやつに関して…

芝田勝茂『ドーム郡ものがたり』

王道ファンタジーっぽい児童書。主人公の女の子がドーム郡という集落(?)をフユギモソウという人の心を荒ませる花から救おうと奮闘する話。 児童書らしからぬ「闇」と言うか「毒」と言うか、そんなものを期待してたのだけど、これは普通に心温まる話だった…

タクラマカン砂漠じゃなくて

web

・ハイブリッドNo.9からリンクされててわーいとか思ってたら「石崎幸二萌えの人」って、まさかその要素を抽出されるとは……。いえあの、嬉しいです。ほんとに。 ・鳥飼否宇の『本格的』があまりに微妙だったので他の人が感想が気になってたところ、UNCHARTED …

芦辺拓『不思議の国のアリバイ』

たっくんこと芦辺拓の意欲作らしきアリバイ物長編。探偵役の弁護士・森江春策の助手というか秘書というか……な新島ともかが初登場したのはこの作品だったらしい。ちっとも魅力を感じないキャラだが、いわゆる“華”的な役割としていたほうがいいと言えないこと…

新刊情報チェック

飛鳥部勝則『ラミア虐殺』(光文社カッパ・ノベルス)は10/20発売で決まりな模様。あー早く読みたい。

霞流一『おなじ墓のムジナ 枕倉北商店街殺人事件』

霞たんのデビュー作(のはず)。この人はデビューからずっと動物をお題にしたミステリを書き続けてるのだけど、この作品でお題になってるのはタイトルからもわかる通りタヌキ。タヌキ絡みの事件が続発するって趣向ですな。 で、これがそれなりに面白かったわ…

お椀とかじゃなくて

web

Unlocked Roomのリンクにこの日記が加わってることを発見し、喜ぶ。気づかないふりをするのもなんなので一応言っておきますと、「魔法のかかる前」じゃなくて「魔法にかかる前」なんですよー(小声)。 アスカベ白書にはアスカベ勝則作品特選レビューがアッ…

首藤瓜於『脳男』

あらすじとか読む限りではいかにも新しいことやってそう!斬新そう!だったのだけどこれ、すっごい普通だった。要はえーと、仮面ライダーとか、ウルトラマンとか、そういう類だと思えばよし。特撮っぽいという意味ではなく、ある意味で人間を超えた能力を持…

鯨統一郎『月に吠えろ! 萩原朔太郎の事件簿』

うわあ、この本妙に装丁が渋いよ。なんか勘違いして買っちゃう人がいそうだよ。鯨なのに……。 と言うわけで鯨、鯨の新刊です。全くもって相変わらずー。唯我独尊タイプの名探偵とその探偵役に必要以上に突っかかるワトソン役というパターンのコンビも相変わら…

歌野晶午『安達ヶ原の鬼密室』

ああん、もう、歌野晶午って奴は!大好きだよ。全く。どうしようもない。どうしてこんなに……。この人は『葉桜の季節に君を想うということ』を読んで以来僕の中の萌え作家ランキング(1位は石崎幸二でよっぽどのことがない限り不動)をぐんぐん急上昇してい…

西澤保彦『スコッチ・ゲーム』

安槻市シリーズ第三弾も読了。ああ、これでいつ『依存』を読むことになっても大丈夫。 今回はタカチがずっと引きずってた高校時代の事件を解決しちゃおう!ってお話ですな。しっかしこのシリーズ、メインのキャラクター達に肝心なところで優しい、っつーより…

西澤保彦『仔羊たちの聖夜』

安槻市シリーズ第二弾はタカチが自分の勝手な思い入れで死人に感情移入しまくった推理が当たったり外れたりでずっぼずぼ!な話。いやーしかしこの「親という生き物は放っておくと必ず子供を独善的に支配をしようとする、危険なものなのだ」みたいな論調はど…

西澤保彦『彼女が死んだ夜』

来月文庫化する『依存』を読むために安槻市シリーズ(という呼び方でいいのだろうか)を一通り読んでおこうという計画を発動させてみた。既読なのは『解体諸因』のみだったもんで。で、とりあえずこれが第一弾。 西澤作品の中でも一二を争う評判の良さだけあ…

ジョン・ディクスン・カー『三つの棺』

カー初読み。カーの作品の中で一番名が売れている(ように思う)だけあって、提示される「謎」はとても魅力的。こりゃあミステリが好きな人ならどんなトリックが使われたのかしらーってなもんで気になりますよもう。でもその魅力的な謎に見合うだけの解決が…

新刊情報チェック

講談社ペーパーバックス2003年 10月期発売予定表からは、この二つが買い。 透明人間 浦賀和宏 1100 10/6 ダブ(エ)ストン街道 浅暮三文 648 10/15 ……あれ?霧舎学園が発売予定表にないんですけど……もしかしてまた延期ですか。

佐藤友哉『鏡姉妹の飛ぶ教室』 第5回 囚人の衆人

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いよいよキャラものっぽくなってきたような。でもいろんなとこにいろんな“意図”が見えすぎて(それが実際に存在するかどうかは全く問題でない)キャラものとしてはダメな気がするけど。 と言うわけで今のうちに村木君に萌えておこうと思ったり。なんだか、園…

斎藤肇『たったひとつの 浦川氏の事件簿』

いや、涙が出そうだ。 というのは嘘だけど。 「思い」三部作を読んだときはある点で面白いとは思いつつも微妙な感想を持っていた。この作者が自分にとってこんなに大切になるとは思ってなかった。どうしよう。僕は、この本に心底感じ入ってしまった。この連…