高橋源一郎「さようなら、ギャングたち」

感想書くのが難しいので箇条書き。
高橋源一郎のデビュー作。この人の本初読み。
・あらすじは書いても無駄だから書かないけど、あらすじだけ見れば結構普通の小説なのではないかね。知らんけど。
・裏表紙にあるところの「独創的な文体」ってやつに関してはあまり思うところがない。今からすれば別に新しくもないしね。でも、少し「映画みたい」と思った。
・ラストがある意味わかりやすく悲しかったもんで、なんだか「これは小説なんですよー」ってな風に虚構性を確認させられてしまった気がした。
・つまり、主人公を哀れんでいいのだろうか、と逡巡してしまったということなんだけど。
・「今すぐ助けに来て欲しいんだけど、みんな大好き」みたいな感じのところが好き。
・いろいろな人が死んじゃうのは「ありえない仮定をしたツケ」みたいな感じがした。
・で、結局は「どんなひどい出来事に攻められても、それは僕の悲しみになるだけだから」みたいな感じなのかなあ、と思った。
・結論。悲しいったって嘘だから悲しい。つまり例えばこの作者の着てる服の柄が悲しい。「そんなに心配するなって言われても(笑)」って返されるような感じ。楽しかったならどうでもいいのかな。きっと深刻ぶってみたかったのだろうよ、とか。
・あ、わかった、「さよなら」だ。「さよなら」でしょう。「さよなら」だ。