キリンジ『For Beautiful Human Life』

キリンジの五枚目のアルバム。とりあえず今の時点での印象をまとめておく。
全体的に、新しい方向に進もうとしてるのはわかるんだけどその方向ってどうよ、という感じ。七曲目以降がどうにもピンと来ないなあ。「スウィートソウル」は別にして。「the echo」なんて、こんな曲はわざわざキリンジがやらなくても他のミュージシャンがやるだろうに、としか思えない。
キリンジの好きなところはこれでもかというほどに作り込んだ濃さで、一番好きなアルバムは『3』で一番好きな曲は「千年紀末に降る雪は」な僕としては出来が悪いと言うよりは最初からそのような“濃さ”を目指していないように思える今回のアルバムはどうにも微妙だなあ。特に兄の曲のほう。もっと臭くないとダメだよお。
でもでもやっぱりキリンジが好きなわけで。とりあえず「奴のシャツ」が聴けただけでも買ってよかったと思ってしまうー。あーこのねっとりポップな感じが好き。それにこの歌詞は今までの兄の歌詞の濃さを推し進めた地点にある新境地という感じで好印象。あと、弟のボーカルは確実に凄さを増してるなあ。特に「ブルー・ゾンビ」!こりゃあ悩殺モノでしょう。たまらんー。


まあそんな感じで今回は兄のベストワークが「奴のシャツ」で弟のベストワークが「カメレオンガール」かな。今のところそのように思える。