首藤瓜於『脳男』

あらすじとか読む限りではいかにも新しいことやってそう!斬新そう!だったのだけどこれ、すっごい普通だった。要はえーと、仮面ライダーとか、ウルトラマンとか、そういう類だと思えばよし。特撮っぽいという意味ではなく、ある意味で人間を超えた能力を持った人物が焦点になってるってことで。ちゃんとヒロインもいるし(ちっとも魅力的でないが)、孤独な存在っぽいのもそういう感じ。
で、その人物ってのが“感情を持たない”男でありまして、その性質ゆえにいわゆるスーパーヒーロー的な所業をするに至ってるというあたりが新機軸かな。このへんの動機付けは工夫したなー、とは思う。ただ、そのへんの設定は確かに新しいのだけど結果として出てきた話は既視感バリバリで、この、最後の一瞬悲しい表情を見せて消えるとこなんか、うわあ、モロにヒーロー物じゃないか!この「設定は目新しいのによく読むとベタなヒーロー物」な感じは妙なパロディ感を生み出していてそんなに嫌いじゃないけど。でもスーパーヒーローに当たるところの鈴木一郎の言動までベタなのはちょっといかんなあ。これでは萌えないよ。
あと問題なのはいかにも「第一話・完」な感じで終っといて続編が出てないってことだな。これ、続けなきゃ意味がないと思うんですけど。それともそのへんまで含めてパロディってことなのか。よくわからん。