2005-03-01から1ヶ月間の記事一覧

サイドウェイ

主人公マイルスは結婚を間近に控えた親友ジャックと一週間の旅に出ることに。しかし旅先で、ワイナリー巡りとゴルフを楽しむつもりだったマイルスに対し、ジャックは独身最後の女漁りに向けてやる気満々。マイルスにも女をあてがおうとするが……というお話。 …

アイザック・アシモフ『われはロボット』

ロボット誕生から世界の行く末を支配するに至るまでに起こったいろいろな事件について描いた短編を、年老いたロボ心理学者のインタビューで無理矢理繋いだ連作短編集。 これは面白い。可愛いロボット、間抜けなロボット、ちょっと怖いロボットとそれぞれに印…

シャーク・テイル

海の底の魚達の世界。リーフの最底辺暮らしに不満を抱く小魚オスカーは、ふとしたことからみんなが恐れるサメを殺したとの勘違いを受ける。たちまち有名になり、リーフのてっぺんに住処を構えるようになった彼だが、同僚のアンジーや事件で知り合った心優し…

原りょう『私が殺した少女』

ある日私立探偵沢崎の元へ掛かって来た依頼の電話。依頼人の家に出向いた彼はいきなり警察に取り押さえられ、依頼人に絡んだ誘拐事件の複雑な事情を聞かされる。好むと好まざるとに関わらず、その事件に深く関わることになった沢崎だが……というお話。 初めて…

H・P・ラヴクラフト『ラヴクラフト全集1』

ご存知創元推理文庫のラヴクラフト全集第1巻。故あって読みました。ふむふむ、これがラヴクラフトか。あまり趣味じゃないぞ。とりあえず四篇収録してあって、一番面白く読めたのは「壁の中の鼠」(悪評高い先祖の屋敷に住むことになった主人公は、毎晩鼠が壁…

田中啓文『UMAハンター馬子 完全版2』

前作(→感想)に引き続いて、伝奇+UMA+大阪のおばはんネタで延々と引っ張るこのシリーズも遂に完結。グロも駄洒落も控えめだった前巻には少し不満を感じてしまった僕ですが、今巻は満足。「水中からの挑戦」における食物絡みのグロ描写はまさに田中啓文の…

2004年発表作品諸々のベスト

かなり時機を逸した感があるので、こっそりと。当時の感想へのリンクも無しで。とにかく好きなのを10作ずつ。国内小説→1.桐生祐狩『物魂―ものだま―』、2.小林泰三『ネフィリム 超吸血幻想譚』、3.射逆祐二『みんな誰かを殺したい』、4.麻耶雄嵩『名探偵 木更…

服部まゆみ『この闇と光』(背景色でのネタバレ含)

暴徒によって権力を奪われた王の娘レイアは小さな別荘に監禁されていた。目の見えない彼女は優しい父を愛し、世話係のダフネを恐れ、字や数を教わりながら少しずつ成長してゆくが……というお話。 まずミステリ的な仕掛けについてはまあ、バレバレなわけですけ…

セルラー

ある朝突然誘拐され、見知らぬ部屋に監禁される生物教師ジェシカ。彼女はハンマーで壊された電話を必死に修復し、ようやくつながった携帯電話の持ち主、ライアンに助けを求めるが……というお話。 90分強と短い上映時間の中に何度も何度もしつこく電話が切れそ…

乙一『失踪HOLIDAY』

二編収録の短編集。うーん面白くない。まずは「しあわせは子猫のかたち」(孤独で根暗な青年が暮らす家に前の住人の幽霊らしき気配が現われ……というお話)。ミステリ要素の潜ませ方が安易なのだけど、心情的に読者がウッと思うような“騙し”の記述があって、…