2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧

西尾維新『ネコソギラジカル (下) 青色サヴァンと戯言遣い』

そりゃあ哀川さんはカッコいいけれども。これが狐さんのせいなのかどうか(つまり作者の意図するところなのかどうか)知らないが、本当に打ち切りマンガのような終わり方だ。無駄にばら撒きまくった伏線はもちろん回収なんてしてくれなくていいのだけど、も…

今野緒雪『マリア様がみてる 子羊たちの休暇』

一旦壊れかかった後前巻で修復された裕巳と祥子さまの絆の強さが(結果的に)確かめられるお話で、あくまで(結果的に)な感じに見えるところは嫌味がなくて、悪くはないんじゃないだろうか。 でもやっぱりこの二人には年中すれ違っていてほしいものだ、と思…

イントゥ・ザ・ブルー

うーん眠かった。前夜寝不足だったせいもあるんだが、メリハリのないダラダラ演出にかなり眠気が誘われた。ガンガン襲って来るのかと思ったサメさん達が申し訳程度の出演だったのも痛かった。これはどうにも。つまらん。 もちろん、これは出来がどうであれヒ…

倉阪鬼一郎『泪坂』

疑ってすみませんでした……>*1 というのが感想。いや、普通にいい話でした。幽霊もの人情ドラマとしては近頃なかなかないくらいウェルメイド。伏線は隠す気ほとんどなさそうな無防備な張り方をしてあって、しかも変な方向から攻めて来る。穏やかなハッピーエ…

ドナルド・E・ウェストレイク『弱気な死人』

バカな奴が身の丈に合わないことを目論んで失敗してヒドい結果に、という類の話は好きなんだけど、どうもそういうのじゃなかったらしい。主人公は次から次へと困難に巻き込まれ、新たな追っ手もどんどん増えるんだが、それらは全てわりあい平和に切り抜けら…

俺の空

とても短め。お話はまたも「愛する人に残酷なことをしたくなる」ネタです。「もう1個あるよ」以降の展開がすごくて、急にマジカルな雰囲気が漂い出し、絵的にも変なことになっていた。 ちなみに唐突に画面に夕張石炭の歴史村のロボット大科学館が出て来て驚…

わびしゃび

まあこれはあくまで学生の個人映画なので、何とも言いようがない。あの女の子はよくあの場から逃げ出さなかったな、偉いな、とか思っただけ。

クルシメさん

井口昇の短編映画を三つ見ました。まずはこれ。とあるコンプレックスを抱えた女性と愛する人を傷つけずにはいられない女性が、互いに無理な要求を突きつけ合っては受け入れ、突きつけ合っては受け入れを繰り返す。その果てに築かれる関係は恐ろしく不健全な…

ロアルド・ダール『あなたに似た人』

ご存知“奇妙な味”の代表作家の代表短編集。初めて読みました。今読むとさすがにネタを知っている話があって興を削がれたりもするのだけど、読めないということは全くなかった。最後に収録されている「クロウドの犬」なんて、ダメ男日記のつもりで読んでると…

ブラザーズ・グリム

なかなか良かったですよ。派手なドンパチで盛り上がるシーンは無いし、物語の中心にあるのがあくまでグリム兄弟(特に弟)の心の問題の解決であるせいか話のスケールが小さく感じられるんだが、それはそれでそういうものとして面白かった。 CGショボめでビジ…

デッド・ゾーン シーズン1

全話見終わったので長めの感想を。とりあえず、原作やデヴィッド・クローネンバーグの映画版とはほぼ無関係なので、それらのような趣を期待して見るのはお薦めしません。僕は主演のアンソニー・マイケル・ホール目当てで見たのだけれど、彼はそれなりに役に…

ソウ2

前作も大概だったけれど、今度はもう明らかにダメ。コンセプトの定まらなさがさらに悪化してますよ? 観た人全員思うだろうけれど警察がアホすぎて、しかもこの「警察がアホ」ってのがあらゆる脚本上の難所(いかにして意外な展開を作るか、とか)をクリアす…

今野緒雪『マリア様がみてる パラソルをさして』

元気を取り戻した裕巳はなおタチが悪い……。瞳子(瞳子ちゃんは悪くないよ)を無自覚のうちにたぶらかす才覚など、実に恐ろしい。そして加東さんと絡む聖さまは相変わらず威厳があって素晴らしい。 祥子さまがつれなかった理由はかなり安易だがそれはどうでも…

今野緒雪『マリア様がみてる レイニーブルー』

白薔薇組。やはり爽やかでよろしい。ちゃっかり美味しい所を掻っ攫っていく蔦子さんもグッドジョブ。志摩子さん視点って新鮮でいいのだけどちょっと戸惑うな。 黄薔薇組。由乃さんはどうでもいいのですよ。令さまの病気(由乃が一番病)の深刻さを確認するの…

今野緒雪『マリア様がみてる チェリーブロッサム』

ああ、乃梨子視点の語りは裕巳のように偏っていなくて爽やかで、読みやすいなあ。志摩子さんとの諸々も極めて共感しやすいし、瞳子との絡みも微笑ましい。 しかしこれでは祥子さま令さまがただの無神経なバカみたいにしか見えないのでそのへんを「BGN」でフ…

福澤徹三『怪を訊く日々』

ザワテツ*1の実録怪談集。この種の本としては『新耳袋』よりも平山夢明の『怖い本』や『東京伝説』シリーズよりも平谷美樹の『百物語』(これはちょろっと読んだだけ)よりも面白かった。さすが達人。ときどき本筋から脱線して作者の怪談に対する思いが語ら…