2003-10-01から1ヶ月間の記事一覧

浦賀和宏『彼女は存在しない』

かなりまっとうなサイコサスペンスって感じか。たぶん意識していつものうざったい自己言及他の青臭い要素を控え、メインのネタが生み出すサプライズに力を注いでいるように思われて、浦賀作品をデビューからずっと追いかけてる人なら、発売当時、浦賀も大人…

池上永一『風車祭』

おもしろい!でも、ながーい!いや、別に長いことはマイナスではないけど、この本の場合、時間あるときに一気に読むようにしないと若干面白さが薄れるのではないかと思う。僕自身も途中で浦賀だのドクロちゃんだのテディ文庫だの読みながら読んだので入り込…

新刊情報チェック

11/07 西澤保彦「黄金色の祈り」文春文庫 買い。 11/26 伊坂幸太郎「オーデュボンの祈り」新潮文庫 買うかも。

おかゆまさき『撲殺天使ドクロちゃん(2)』

買うかどうかかなり迷ったのだが、結局買ってしまった。今回は作者の妹直筆のメッセージ入りの帯となんだかわけわからんことになってる既刊紹介のページに注意。 で、内容はと言えば異様なハイテンションと饒舌すぎるツッコミで突っ走る会話パートの暴走力は…

浦賀和宏『透明人間』

久しぶりの安藤直樹シリーズ新刊。醒めてるつもりで実はかなり自己陶酔してる痛々しさは若干弱まってるものの健在。この痛々しさ・青臭さがなければ浦賀ではないのでそこに文句を言う気は全くないのだけど。 今回は『学園祭の悪魔』以降の、自分の痛々しさを…

これだからメフィヲタはやめられない

霧舎学園2冊セットプレミアム限定版発売という気が違ったとしか思えない企画に狂喜乱舞してます。誰だか知らんがこの企画考えた人、よくやった!講談社ノベルス初の限定版発売がよりによって霧舎学園というあたりが最高。いやーこれでこそメフィストでしょ…

ちなみにテディ文庫とは

津原泰水監修のBL及びJUNE及びやおい小説の文庫で、年4回発売されるそう。キーワードは「ネオ耽美」!(新青春エンタみたいだな)これからの執筆予定陣の中には何故か久美沙織の名前があったりする。ミステリ要素を含むのも出るそうで、こりゃあミス…

岡本賢一×笹生撫子『趣向』

次にこっちを読んだ。こちらは正統派耽美小説の系譜に連なる感じ。中島梓とか森茉莉とか好きな人は気に入るんじゃないだろうか。二人の作家による共作が一編、それぞれの作家単独で書いた短編が一編ずつ収録されているのだけど、どちらかと言えば笹生撫子の…

三鷹うい『ねむる花』

まずこっちを読んだ。イラストが目を引く表紙で手に取る人が多そう。話としては伝奇アクションというところか。正直なところかなり面白かった。文体がライトノベルにありがちな軽すぎるものでないのが好印象。ポエムっぽいけどうざったくない。さらに加えて…

テディ文庫第一弾を思わず二冊とも買ってしまった。一気に両方読み終えたので感想も一緒に。全体的に、BLモノはネットに載っかってるのは読み漁ってるけど紙媒体のは普段ほとんど読まないんで新鮮だった。

佐藤賢一『カルチェ・ラタン』

分厚い本なんで読むのにけっこうかかるかと思ってたら、あら、とっても読みやすい語り口。おかげですいすい読めました。僕に限らず、とってもまっとうなエンターテインメントなので多くの人が楽しく読めると思う。でも、雑誌掲載のときの形式に絡んで長編と…

mix deepest 第2回クロスレビュ『月の扉』発表

web

褒めちぎってる人となんだかなあ……な人と真っ二つに分れてる感じ。面白い。平均点にすると第1回とあまり変わらなくなっちゃうとこも面白い。まる缶さんのキオスクミステリとしてなら高評価という観点には目の付け所が良いなあ、と感心してしまった。まあ僕…

乙一『さみしさの周波数』

乙一の本は当分読まないつもりだったのだけど事情があって読むことに。人生ってわからないね。乙一については『夏と花火と私の死体』と『天帝妖孤』を読んだ時点ではみんなが何をそんなに面白いと言ってるのか全くわからなかったのだけど、『暗黒童話』は自…

「氷川透が影響を受けた100冊」が完結とか

web

今回の更新分ではミステリ以外の作品を挙げてるのだけど、やはりこの人って頭がいいっていう概念に囚われている気がしてしまうなあ。あとメタフィクションってものにも。 ともあれ、福永武彦は僕も好きだよー、とか。まあそんなことを思った。『世界の終りと…

舞城王太郎『山ん中の獅見朋成雄』

あれ。面白い。自分はもう舞城に飽きちゃったものだとばかり思ってたよ。なんだか久しぶりに舞城作品を面白いと思った。 舞城作品を語るときによくスピード感って言葉が持ち出されるけどそれって僕の実感とはちょっと違ってて、えーと、エスカレート感ってい…

アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ『薔薇の葬儀』

澁澤龍彦とかに支持されたらしいフランス人作家の最後の短編集。むーん。あんまりグッとくるとこが無かったなあ。これにグッと来る人がいるということは想像がつくのだけど、自分の好みとは違ってる。登場人物が唐突に死んで終わり、みたいな締め方が多いの…

講談社「ミステリーの館」2003年10月号

MM

特に目新しい情報は無し。舞城のサイン本プレゼントくらいか。でも「今月の大広間」に載ってる浦賀のコメントが何やら微笑ましくていい。ちょっと痛いけど、それくらいがちょうどいいってもんだろうよ。

エドワード・ゴーリー『優雅に叱責する自転車』

その筋では有名らしい漫画家による絵本。タイトルの訳し方に苦労しましたーみたいなことが訳者あとがきに書いてあるけど、この訳し方で正解なのではないですかね。このタイトルにはやられるでしょう。 で、中身だけど、かなりすっとぼけ。いや、ちょっと凄ま…

スティーヴン・ミルハウザー『三つの小さな王国』

三編からなる中編集。ちょっと嫌になるくらい幻想味がたっぷり。例えば、「展覧会のカタログ――エドマンド・ムーラッシュ(一八一〇‐四六)の芸術」は展覧会のカタログという形式をとって語られるある画家の半生の物語で、画家、画家の妹、友人とその妹の四人…

『VOW王国 笑う広告』

うーん、広告ネタだけで一冊作るのは若干無理があったようで、不発ネタがいつもより多い気が。レトロな広告がばんばん載っかってるせいで方向性が微妙にずれてるんでそんなには気にならないけど。でも下ネタがエスカレートしてる感じなのは気になるなあ。あ…

佐藤友哉『鏡姉妹の飛ぶ教室』 第6回 前哨で前宵

web

んー。前回はわりと面白かったのに今回はまた微妙だなあ。村木君が出てくるとほっとするけど。シリーズ本編との繋がりがちょこちょこ出てきたりしたけど、興味が持てない。 安っぽいアニメのナレーションみたいな部分とかがなあ……キャラ描写も台詞回しも嫌な…

新刊情報チェック

2003/10/18 西風隆介『神の系譜 竜の時間 神国』 やた!わーい嬉しいなどうしよう。前作であんな終り方されて欲求不満になってたのがようやく解消されるよー。それに前作はキャラ萌え的にもかなり欲求が溜まってしまったからな……。マサト様が出てるのか出て…