アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ『薔薇の葬儀』

澁澤龍彦とかに支持されたらしいフランス人作家の最後の短編集。むーん。あんまりグッとくるとこが無かったなあ。これにグッと来る人がいるということは想像がつくのだけど、自分の好みとは違ってる。登場人物が唐突に死んで終わり、みたいな締め方が多いのはわりと気に入った。小説の中の、こういう、呆気ないけれども取り返しのつかなさも同時に感じさせる死を僕は好きだ。
この短編集の中で強いて好きな作品を挙げるなら「クラッシュフー号」か。何もかもが儚く、そして冷たく過ぎていく、というような感じ。終わりというものは実はそんなに深刻なものではない分簡単に訪れるものだったりするんだろうなあ、きっと。