三鷹うい『ねむる花』

まずこっちを読んだ。イラストが目を引く表紙で手に取る人が多そう。話としては伝奇アクションというところか。正直なところかなり面白かった。文体がライトノベルにありがちな軽すぎるものでないのが好印象。ポエムっぽいけどうざったくない。さらに加えて、読ませる力も非常に強い。リーダビリティはバカ高いと言って良い。これから何が起こるのか、期待を持たせるのがとっても巧いのだな。でもラストはなんだかいろいろうやむやなまま終わってしまった感じで消化不良。これ続きが出て欲しいなあ。
で、気になるキャラクター造形はこれも相当魅力的。いわゆる「攻」ポジションの男の子がえっらい健気で、この子の魅力だけでかなり読ませる。そして「受」の少年は大人なんだけどその分臆病なのだなー。これに攻の子の兄も加わりつついろいろに変化する微妙な関係は暑苦しくなく、やたらに微笑ましいもので、これはほとんど読み心地が「お姉さん系の女性と年下の男の子の話」と変わりません。ゆえに男性が読んでも抵抗ないと思うなあ。おすすめ。
そうそう。気になるエロ度ですが、攻の子が12歳でまだ何にもわかってないせいで画期的な低エロになってます。ますます男性に薦めたくなる。