喜劇王

負け犬からの這い上がりストーリーと、ラブロマンス部分がどっちも中途半端なヘタレ脚本。主人公が俳優としての矜持を手に入れる展開なんて、もう何が何だかわからないくらい終盤めちゃくちゃ。それでいてキュートな味をいくらか感じさせるところはさすがチャウ・シンチー映画って感じだけど。シリアスになりすぎてしまいそうなお話を何度も他愛無いギャグが救っていて、特にヒロインの“職業病”に関するギャグの使い方はいい感じ。せめてラストがもっとしっかり決まればなあ。
この頃のシンチーは長井秀和そっくりでわりと好み。アクション大女優役のカレン・モクはさすがのカッコよさ。弁当屋役で顔を出してるン・マンタもカッコいい。シンチーと対峙するいくつかのシーンはなかなかの緊張感だった。