ジョン・ソール『暗い森の少女』

精神障害を患う少女が無関係な罪を徐々にかぶせられてゆくところを読者はただ見守るしかない、というイヤな趣向がこの作者の『闇のなかの少女』*1とそっくり。とは言え、デビュー作であるこっちのほうが捻りの利いた設定で、『闇のなかの〜』は縮小再生産だったのかも。
『闇のなかの〜』で少女を陥れる主は単純な悪意者だったけれど、こっちはそうでもないところが面白い。少女の姉エリザベスの取った行動がどこまでが悪霊の仕業で、どこまでが本人の意志なのかはっきり明言されないあたりとってもスリリング。その意味で、秘密のパーティーの場面はすごくゾクゾクした。ツボを押さえたグロ描写もマル。
この人の本は、もう少し読んでみたいな。