ファニーゲーム

ごく普通の小金持ち一家をひたすら理不尽な暴力が襲う映画。動きが少なく静かな画面が極限まで緊張感を孕んでいって、もう心臓バクバク言わせながら見てしまった。このへんの技術的な面は文句なしに高く評価したい。ただ、製作側がどういうつもりで不快描写てんこもりにしてるのかよくわかんなくて引っ掛かっちゃう。観客に対する意地悪でもサービスでもなさそうで、どうもいまいち気持ちよく気持ち悪がれないんだよな。あのメタ的な趣向からして、本物の「ゲーム感覚の暴力」ってものを表現しようとしたとか、そんなところか? うーん、やっぱり引っ掛かる。
役者はみんなイヤ展開を予感させる顔立ちでいい感じ。特に子役のステファン・クラプチンスキーと、闖入者二人組のデブのほう役のフランク・ギーリングのルックスは不穏なムードを漂わせていて気に入った。