王は踊る

ルイ14世の寵愛を受けた宮廷音楽家リュリの一代記。リュリの音楽で王が踊るシーンがいくつか序盤に置かれていて、これがもう甘美で情熱的な愛の交歓の図以外の何物でもない美しさ。だからこそそこから紆余曲折あって王の寵愛を失ってゆくリュリの悲嘆にくれる姿がとても切なく見えるというわけ。セット(本物も混じってるらしいけど)も衣装も音楽もきらびやかで、それでいて儚く見える画面がとても素敵。
ルイ14世役のブノワ・マジメルは美しくも性格の捻じ曲がったプライドの高い王に扮してそれなりに嵌ってる。この人、この頃は耽美な美青年で通ったんですね。リュリ役のボリス・テラルも熱演してるけど、もう少し顔立ちにアクが強くても良かったかな。顔があまり印象に残らなかったもんで。