南極物語

おお、意外によく出来た、結構良心的な映画じゃないですか。支持したい。ファミリー層に訴えるように、犬達は恐ろしく頭が良く人間的すぎる“感情”を持っているように描かれているのだけど、それでいて畜生の浅ましさもちゃんと見せてくれるあたりバランスがいい。犬の“表情”に意味を持たせるあざとい演出もかなり控えめだし。わき目も振らず犬達を助けようとする主人公が見苦しい行動に出ないところも良い。
要所要所できちんと盛り上がるツボを押さえた展開の中でも一番好きなのは、ヒョウアザラシが出て来るところ! たかがアザラシをここまでカッコいいモンスターとして描いてくれるのは嬉しいったらないな。
主演のポール・ウォーカーは久々にちゃんとした役者に見え、普通の意味で魅力的。こんなの『ワイルド・スピード』以来ですよ。ファンは必見。その脇にいるブルース・グリーンウッドの渋さとジェイソン・ビッグス君の微笑ましさもとても具合よし。特にビッグス君は可愛いなー。今後こういう和みキャラとしての仕事が増える予感。あ、ヒロインのムーン・ブラッドグッドはちょっと弱かったです。