ブロークバック・マウンテン

まあ、普通。僕は原作のほうが好きです。要はこれって「かつてある所に存在したひと時の素晴らしい時間のせいでみんなが不幸になる」という話だと思うのだけど、映画はその物語の打ち出し方が弱くて、あと主人公であるところのイニスの後悔の念の描かれ方も弱いかな。西部の自然を美しく撮ってそれでいてありがちな“雄大”みたいなイメージになってない撮影は好き。
あともう一つ映画版で良かったのは一部のキャスト。ハリウッド製ティーン映画好きにはたまらない偏ったキャスティング*1の中でも一番良かったのは、イニスの妻役ミシェル・ウィリアムズ。粗末に扱われたり恨み言を言ったりする役柄が似合いすぎ。主演の二人のうちではジェイク・ギレンホールが良かった。序盤はいつもの青臭キャラなんだけどだんだんと薄幸オーラを纏って来るあたり的確な演技。ヒース・レジャーはもっと身も蓋もないくらい男臭いとよかったな。

*1:スクービー・ドゥー』のメガネっ娘とか『最終絶叫計画』シリーズの主演の子とかがさり気なく出て来て面白い