キング・イズ・アライヴ

極限状況でひたすら助けを待つ人々が織り成す“リアル”で痛々しい人間ドラマ。その“リアル”さ加減があまり嫌味でなく、となるとこういう映画は結構好きなのでした。『ドッグヴィル』みたいな悪趣味の極み展開が来るかなー?と思ってたら結局来なくて、それでも常に一定に保たれた緊張感に退屈は覚えず。男と女の作劇上の役割がそれぞれ決まりすぎてる(女は裏切り、男はうなだれる)のがちょっとつまんないんだが、劇中『リア王』が演じられることによって人間関係が微妙に変化する趣向は好き。
キャストの中では、最初やかましくて段々と不気味に落ち着いてくるジャネット・マクティアと、便利に使われて特に文句も言わない黒人運転手役ヴジー・クネーネが良かった。