マーサ・ミーツ・ボーイズ

なんてことない色恋沙汰を、ちょっと『運命じゃない人』みたいな仕掛けのある語りで見せる映画。監督のニック・ハムは二作目の『穴』も「藪の中」ものだったりしたから、ミステリ的なことをやるのが好きなんでしょうな。ただ、『穴』と同じくこれも凝り方が中途半端。もうちょっと気の利いた伏線の張り方をしてくれないと。自分からは全く積極的な行動に出ない優柔不断男が幸せを掴んでしまう筋立ても、そもそもラブコメ的に問題ありだろう。いろいろつまんなかった。
ヒロインのモニカ・ポッターは変にやつれてて、男の振り回し方もチャーミングじゃない。彼女のお相手三人のうち、成金チビのトム・ホランダーと捻くれ役者のルーファス・シーウェルはそれぞれ自分の役目をきちんろこなしてる。残りの一人ジョセフ・ファインズが難しい。身に纏った雰囲気は確かにボンクラ風なんだが、目つきがいやらしくて、微妙に役柄と合わなかったかなーという印象。