美しき野獣

まっすぐな若者二人がぶつかり合いながら腐った奴等を懲らしめる爽やかバディもの……じゃなかったからびっくりだ。なんとここまで救いのないオチでしたか。登場人物をやたらと泣き叫ばせる鬱陶しい演出が冒頭から気になってたのだけど、こういうオチにするのなら納得できなくもない、かな。ただ、それを抜きにしてもやっぱり演出安っぽすぎ。特に必然性のないスプリット・スクリーンやら急なズームやら邪魔っけですよ。音楽の使い方もダメダメ。
主演の二人のうち、クォン・サンウはちょっと腹立つくらい下手。なんだけど、その演技を一貫して通すことによって哀れな役柄が際立っている気がしなくもない。もう一人のユ・ジテはそこそこ。クールな表情の中のしまりのない口元がいい感じ。中盤以降の分け目のない髪形のほうが似合うかな。