フアン・ボニージャ『パズルの迷宮』

元々えらい長かったペーパーバック版をこの映画*1の原作用に短く縮めたもの、を沢村凛が翻訳したもの。わりとバカミスを期待して読んだものの、主人公のねちねちと曲がりくねる思考をなぞった叙述が霞となってかぶさって、作品内で何が起こってるんだかよくわからないし、何が起ころうと現実味が薄くてどうとも思えないという始末。それはそれでそういうものとして楽しめなくもないんだが、個人的にはいまいち主人公の妄想に魅力が感じられなかったので、それを延々垂れ流されるのは辛かった。
聞くところによると映画版はなかなかバカミス的に面白いらしいので、見てみようかな。確かに事件の発端とオチを見比べればこの原作だってバカミスと言えなくもないんだが。