デッドマンズ・カーブ

「自殺者のルームメイトは心の傷を考慮してその学期オールAが貰える」という大学の都市伝説をネタにしたブラックなサスペンス。自殺志願者が好んで見る映画は?と聞かれたカウンセラーが「初監督作とか。たいていヒドいでしょ」と答えた後に監督のクレジットが出るオープニング*1からして悪趣味な匂いプンプンで、以後ずっとそういう感じ。
サイコ野郎に殺人の共犯にされ、どんどん絡め取られてゆく主人公の姿を追った展開はイヤな緊張感に溢れていて、おまけにラストには意外などんでん返しまで。納得はできないんだがネタとして面白い伏線の張り方もいい感じ。チビ白人とノッポ黒人の刑事ペアのキャラだとか、細かい所までいろいろ仕込んであって、これが現時点で唯一の監督作というには惜しいセンス。次回作が見たいな。
キャストは、ファッキン・サイコな役を貰ったマシュー・リラードがもう水を得た魚のように暴れ回っていて他を圧巻。学長の前で親友の死にショックを受けているフリをするシーンはすごかった。こんなに空恐ろしい嘘泣きができる人は他にいませんよ。彼に食われてる主役はマシュー・マコノヒー似のハンサムなマイケル・ヴァルタン。『エイリアス』に出てる人なのか。ちょっと気になる。

*1:この映画はダン・ローゼンの初監督作