オアシス

韓国製、前科三犯のノータリンと重度の脳性麻痺を患う女のラブストーリー。次第に心を通わせていくこの二人のささやかな触れ合いは、微笑ましいと言うにはあまりに痛々しく、おまけに破綻の予感をふんだんに含んでるんだが、それでも恐ろしく幸せそうで泣ける。何度か出て来るヒロインの妄想シーンの挿入のされ方が『ダンサー・イン・ザ・ダーク』の優しいバージョンという感じで素晴らしい。特に木の影が消えるシーン! CGってこういう風に使うべきものだよな。
さらに終盤の展開がすごかった。悲劇が悲劇を呼んでエスカレートする筋立てだけで十分満腹なんだが、その先に希望を含んだ結末を用意するあたり志し高すぎ。いかな悲劇と言えども引き裂けない強い繋がりってものがあるのよ、ということですね。木の上の男に陳腐な流行歌が届くシーンでは何かもう胸がいっぱいだった。主演の二人はとにかくお疲れ様。


(えっ、この髪にメッシュ入れた弟役の人が『アラハン』の監督なのか。びっくりだ。)