ジェリー・スピネッリ『スターガール』

閉鎖的でいじけてて、異分子はすぐに排除されちゃう田舎の高校を力強く生き抜いた一人の変わり者の女の子のお話。主人公スターガールがそれほど魅力的だとも思わないんだが、彼女の空気を読まないキャラが周りを熱狂させ、困惑させ、遂にはイラつかせるに至る過程がスリリングに描かれていて面白かった。ハイライトは彼女が弁論大会の決勝に出るくだりで、幸福の絶頂から一転して絶望へと転げ落ちる展開が迫力満点。
ただ、よくわからないのは、ここまで空気を読まない彼女がどうして自分を曲げてまで主人公に付き合ったのか、ということ。主人公がもうちょっと魅力的に描かれてば納得したんだけど。まあ、愛し合う二人の間にも理解が存在しないという描き方は好きです。幸せのワゴンとか、マネシツグミとかの小道具も好き。
ちなみに、この小説には映画化の話がある*1みたい。