プライドと偏見

まず映像が綺麗。ファーストカットやクライマックスの告白シーンに代表されるように、差して来る光の撮り方が巧いな。屋敷や舞踏会会場の中をグルグル駆けずり回ってその騒がしい雰囲気を伝えるカメラも良し。そして主演の二人の相性がこれまたいいんですよ。安心した。釣り目の女と垂れ目の男、互いに我の強いカップルが不器用にすれ違い続ける様をしっかり応援しながら追えたので、このリメイクには文句なし。
個々人についてはいろいろ注文があるのに、二人並ぶとしっくりくる主演カップルはすごく好き。特にマシュー・マクファディンはあくまで上品にキョドッて見せる仕草が最高。脇では、見事なまでに痛々しいコリンズ役トム・ホランダーと尻軽頭空っぽ四女のリディア役ジェナ・マローンが気に入った。ビングリー役にもう少し頭の良さそうな顔の俳優はいなかったのか、とか、ちょっとドナルド・サザーランドに見せ場作りすぎなんじゃないの、とか、文句はそのくらいかな。