羽純未雪『碧き旋律の流れし夜に』

例の島田大先生推薦作。舞台となる館の構造も主人公一族の血縁関係もゴチャゴチャしててよくわからん。ミステリにだけ許される必殺技、屋敷見取り図と家系図を付けちゃえば良かったのに。島田先生推薦なんだから当然……ということで、トリックにも意外性なし。過去の事件と現在の事件を繋ぐ悲劇もこれまた見せ方がゴチャゴチャしてるんだよなあ。なるべく意外性を高めたいってのはわかるが、引っ張りすぎ。
そして一番気になったのは主人公周りのキャラクター及び人間関係の描き方。仲間達に気持ち悪いくらい主人公を庇わせるなら、もっと彼女を可哀想に見せてくれないと。探偵役にはチャームが足りなくて、愛すべき軽挙妄動になるべきところがただの不謹慎にしか見えないし。それから、「ぱふぱふ先輩」ってどんなニックネームだよ。このセンスはギャグでもヤバいぞ。