ベン・ライス『ポビーとディンガン』

妹のために奮闘するお兄ちゃんは好物ですが、このお話の主人公アシュモル君はいまいち。この役割に必要なツンデレ度が圧倒的に足りないんだもの。そしてそれはアシュモル君だけじゃなくて村人全員に言える。みんな意外にすんなりポビーとディンガンの存在を信じてしまっていて、これじゃときめけない。「あれ? おかしいな。だんだん本当にいるような気がしてきた」というムードを徐々に盛り上げてこその感動のラストでしょう。
ということで、こちら札幌では今週末公開の映画版に期待したい。監督は『フル・モンティ』のピーター・カッタネオだから、原作に欠けているユーモアを上手に補っていてくれると嬉しい。