イン・グッド・カンパニー

恐ろしく地味なコメディでした。『アメリカン・パイ』とも『アバウト・ア・ボーイ』とも全然違う作風を一応成功させていて、これでワイツ兄弟の職人的な監督としての才能がはっきりした感じ。コメディならなんでも出来るんだろうな。51歳の部下と26歳の上司の間に生じる微妙な関係を安易に擬似親子関係に回収してしまわない描き方はスマートで評価できる。
ただ、事態を動かすきっかけとして主人公に大勢の前で演説させるのは『アバウト〜』と同じであまり巧くないし、結果的に全てオヤジの側に都合のいい方向に物事が運んでしまうのはなんだか引っ掛かった。若造役トファー・グレイスの落ち着きない身振りが生み出す気まずさは例によって最高なので、それをもっと活かしてほしかったな。娘役のスカーレット・ヨハンソンは清楚な感じで良い。あと、チョイ役で出てるセルマ・ブレアに笑った。